Vリーグはプロ化すべき?~選手論~

Vリーグトーク
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Vリーグのプロ化。これはかねてからさんざん議論されてきたことだとは思いますが、改めて私なりの考察を述べさせていただきたいと思います。

そもそもですが、直近のプロ化についてはここにまとめられています。私の中では、何回かは話に上がっては頓挫し、2016年も今度こそは、と意気込んだもののトーンダウンした、そんな印象です。

プロリーグ構想 (バレーボール) - Wikipedia

2016年にぶち上げた新リーグ構想は結局賛同を得られなかったものの、このような形でこれまでとは違うVリーグを志向しようとしている、そんな印象を受けます。

バレーボール SVL/JVL コーポレートサイト
バレーボール SVL/JVLコーポレートサイトです。

という前置きを挟み。

さて、皆さんはVリーグはプロ化すべきだと思いますか?

■代表選手だって基本的に一社員

ここでプロ化とは何か、を私なりに改めて定義しますと、プロとは、それだけでメシを食える人、ということです。スポーツ選手で言えば、その競技に従事することだけで生計を立てている人、です。野球で言えばプロ野球はそのままプロで、野球で成績を残すことで給料をもらっていますし、社会人野球の選手は企業の社員として普段は仕事をすることで給料をもらっていながら野球をしている。その違いです。

プロは契約年数が決まっていますが、社員であれば終身雇用のケースがほとんどだと思います(契約社員という契約年数の限られている人もいますが)。

この概念で言うと、19/20シーズンのVリーグ、V1女子で、企業の社員でない選手は岡山シーガルズとヴィクトリーナ姫路の所属選手、そしてプラスアルファです。東レ、久光、NEC…それらのチームの所属選手はみんなそれぞれの企業の社員です。東レで言えば黒後選手、久光で言えば新鍋選手、NECで言えば古賀選手…は、それぞれの企業の一社員です。

私が好きな選手名鑑「V.LEAGUEチームの顔」にはそれぞれの選手の所属部署が書かれているのですが、黒後選手をはじめとした東レの選手は事務部、久光は厚生部、NECはそれぞれがいろんな部署や関連会社(例えば古賀選手の場合は社会公共ビジネスユニット)に所属している社員、です。

ただ、PFUの江畑選手は所属部門が「-」になっているのでもしかしたらプロ契約をしているのかもしれません。とはいえ、海外チームに所属している選手を除けば、今の日本代表の選手にプロ契約をしている選手は一人もいないのかもしれません。

※一連の記述は全部「かもしれない」とか推測で書いてますが、契約に関することは情報が公開されていないのでそうせざるを得ないことをあらかじめご了承ください。

■選手は3つに分けられる

Vリーグの選手たちは以下の3つに分けられると思います。

①所属チームの親会社の社員として契約を交わしていて、社業もしている

②所属チームの親会社の社員として契約を交わしていて、社業はせずにバレーボールに専念している

③所属チームと選手として契約を交わしている(つまり社業はしていない)

※①②も、正社員としての終身雇用なのか、契約社員としての非終身雇用(一年単位の契約等)なのか、の違いはありますがそこまで細かく分類するのは大変なのでここでは省略します。

③は、岡山と姫路、そして先ほど書いたように江畑選手が該当すると思われます。また、外国人選手も基本的には③のはずです。

②は私の印象ですが、東レ、久光、NECはこれに該当すると思います。当然ですが、社業に時間をとられずバレーボールに専念できるのであれば、少しでも練習時間が割け、選手の技術もチームの実力も高めやすいでしょう。

①は午前中なり日中は社員として仕事をして、午後や下手すると就業時間後にしか練習時間が割けない。そういうハンデがあります。

選手にとって本来の理想は②と③でしょう。