期間限定Vリーガー・中澤恵選手の3ヶ月の価値

東京サンビームズ
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ファインダー越しに映る彼女のプレーぶりを写真に収めるうちに、ふと思った。
「まるで彼女の卒業アルバムを見ているようだ…」

Vリーグをメインに追いかけている私は、高校や大学のバレーボールは詳しくない。最近でこそ春高に出ている有名な選手くらいはわかるようになったが、インターハイや大学リーグを見ているわけではないので、あくまでテレビなどでの情報だけ。なので、2018、19年と春高を連覇した金蘭会高校のメンバーを知ったのは、その後Vリーグに進んだ選手の活躍を知ってからのことだった。

だから、彼女が12月28日付で機構の公示リストで追加選手として登録されたときもその一員だということに気付かなかったし、そのチームがV2だったということもあって特に深追いはしなかった。ただ、TLが若干ざわついたことだけは覚えている。つまり、フォロワーさんが反応したのだ。

だったらちょうど近いうちにそのチームを見に行くし、見て(撮って)みようか。そんな感覚だった。それが2023年1月14、15日の荒川大会だった。結果的に彼女のデビュー戦だった。

とはいえ何も彼女だけに注目していたわけではなかったし、このときが今シーズン初めてのV2観戦だったので(ちなみに14日は流山からハシゴした)、いろんな選手や物事(V1との違い等)に目がいっていた。ただその試合でのOHとしての活躍ぶりもあり、内定選手(だとこのときは思っていた)にしてはどこかオーラのある選手だな、という印象は抱いた(今にして思えば春高連覇の主力なのだから当然なのだが)。

その数日後。荒川大会の後に目にしたこの記事を見て、ぶったまげた。

なんと。内定選手としての加入ではなく、大学卒業までの期間限定Vリーガーとしてチームに加入し、4月からはバレーボールから離れて一般企業に就職するという!

つまりVリーガー、もっといえばバレーボーラーとしての彼女が見られるのは3月までなのだ。