JT「二年越しのミッション」笑顔、涙、そして涙

大阪マーヴェラス
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

2020年1月26日、19/20シーズンのVリーグV1女子ファイナル。JTマーヴェラスにとっては二年越しの舞台だった。

15/16シーズンからVリーグに興味を持った私は、17/18シーズンは札幌にいた関係でほとんど見ていなかったのだが、このシーズンにファイナルに進んだのがJTだった。当時見ていなかったので今、Vリーグ公式からファイナルの試合結果を見てみたら、2連敗して久光に敗れていた。セットカウントはいずれも0-3、そして0-3。

そう。一セットも取れていなかったのだ。

Vリーグの中でも強豪チームと知られ、10/11シーズンでは優勝を果たすも、その後成績は低迷し14/15、15/16は二部での戦いを強いられた。15/16シーズンから就任した吉原監督がチームを立て直し、一部に復帰させ、16/17は4位に食い込み…と上り調子の中で迎えたのが17/18のファイナル。まあ、15/16シーズンから興味を持ち、そして一年ブランクのあった私にとってのJTはそんな印象だ。

もう少し言うと、コート上を歩き回ったり、ときには選手たちに檄を飛ばす監督が多い中で、監督席に座り続け微動だにしない監督、というのもJTくらいだ。喜怒哀楽が垣間見られるJTにあって、監督が常に監視している吉原厳戒体制下のチーム。そんな印象だった。

18/19シーズン。私自身は東京に戻ってVリーグを見られるようになり、東レアローズに夢中になって追いかけるようになったけれど、かろうじてファイナル8にすべりこんだチームなので、ファイナル3に進めただけでもラッキーという感じだった。そして、そのファイナル3では、東レ目線で言うと初戦をフルセットの末落としてしまったけれど、二戦でひっくり返してそのままの勢いでゴールデンセットでも破ってしまった。そんな感じだった。初戦、マッチポイントまで取りながら落としたのは痛い、という声もあったけれど、私はむしろ初戦は落としてもよくて、二戦に勝ってそのままの勢いでゴールデンセットに持ち込んだ方が勝てると思っていた。東レはそういう崖っぷちの戦いをいつもモノにしていたので、初戦に勝って油断する方がまずいと思っていた。

なのでファイナル3は私にとっては狙い通りの勝利、だった。JTはボールに食らいつくバレーを見せて、二戦も早々に第一セットを取られて、ああ、このボールが届く数センチの差がそのまま結果に出たなあと負けを覚悟したのだが、今にして思えば届かせるようにして消耗させていたのではと思うくらい、東レがその後一気に三セットを連取してそのままゴールデンセットでも勝ってしまった。そんな印象だった。

このファイナル3をJT目線に戻すと、

昨シーズン、ファイナルの舞台で久光相手に二試合で一セットも取れず完敗した、その悔しさで臨んだシーズンで、あと一歩のところで(まさかの)東レに屈して久光の待つファイナルに進めなかった…

今季こそ、10/11シーズン以来の優勝。そう臨んだシーズンだったわけだ。

ただ。その10/11シーズンも東日本大震災の影響でシーズンが打ち切りになり、その時点で一位だったので優勝したもので、ファイナルを戦って勝ち取ったものではなかった、というのも代々の選手たちに受け継がれてきた積年の思いだったのだが。

17/18シーズンのことをつゆ知らずだった私にとっては、19/20シーズンのJTは吉原体制の限界が見えてのスターカンファレンスで4位予想だった。大黒柱のミハイロヴィッチとの契約を打ち切って未知数のドルーズを獲るけれど、東京五輪の関係で今季は短いのでチームになじむ前にシーズンが終わってしまうのでは、そんな意味での4位予想だった。