THIS IS HOME~革新のNECレッドロケッツ~

NECレッドロケッツ川崎
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

18/19からチームに移管されたホームゲームの運営などについて感じたことをつらつら書いてきた「THIS IS HOME」シリーズ。NECは18/19シーズンに一度書きましたが、当時から変わっている点が多いのでまた改めて書きます。というより遅くなってすみません。

演出方法などについては前回書いた時と変わっていないものもありますので、変わったことをメインに書いていきます。

①「参加型」の創意工夫

観客数の制限など今季のVリーグは影響を受けていますが、その中でもNECはいろいろ工夫しているなあと思います。

例えば、いわゆるスーパーシートには空いた席にファンの顔パネルを設置する、なんてこともやってました。このパネル、1枚6000円と高いのですがその分ファンフェスタの会員限定公開収録DVD(紅白戦動画フルバージョン映像入り)が送られたり、12000円の場合はパネルに選手がサインしてくれる、というものも。確かこれ、完売したはずです。

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日本電気株式会社のプレスリリース(2020年10月14日 17時02分)コロナ禍における新たなる観戦機会への挑戦!『パネル応援隊』を募集します【バレー/Vリーグ】

中継でも、席の間にパネルが置かれているので空席感はそこまでない、というメリットもあります。募集した応援動画を試合前に流すなど、とにかく今季のNECは「一緒に応援しよう!」と思わせる仕掛けが多いなあと思います。参加型、ですね。参加型だとTOとかでこんなイベントもやってました。野球でよく見かけるやつですね。これは18/19もやっていたかも。

工夫という点では、ソーシャルディスタンスを保つための目安として、選手の足型を貼っていたこと。これ、うまいなあ! 川崎フロンターレが似たようなことをしていたのでそれを参考にしたんじゃないかなと思います。

ちなみにそんな工夫も功を奏してか、ホームゲームは収容制限がありながら12/5のとどろきで2108人、と驚異の数字です。おそらくこれが現時点での今季のV1女子の最多観客数だと負います。1000を切るチームが多い中でチケットの完売も相次いでいるなど、NECの動員数は群を抜いています。とはいえ19/20はJT戦で3500入れているので、収入減にはなっています(社員動員が多いとすればそんなに影響はないのかも)。

②NECの技術見本市

NECって空港にある、体温を検知する赤外線サーモグラフィとか、そんな技術も持っているんですね。コロナ禍で一躍NECの技術が注目された側面もあります。株価も高いですし、コロナ禍を追い風にできた数少ない企業です。

今後は今まで以上に非接触が進んでいく中で、顔認証技術を持っているのも強みです。実際、このように顔認証が使われていました。グッズ販売では顔認証決済もやっていたそうです。

NECがスポーツチームを持つ意義、が存分に発揮されていた。そんな印象です。バレーボールの試合を通してNECの技術をアピールできるわけです。これは別にスポーツのゲームにとどまらず、顔認証による転売防止とか、アーティストのライブにも使えます。実際に過去、ももクロのライブで導入しています。

いずれは、チケットを買った当人がちゃんとその席についているか、勝手に席を移動していないかとか、スーパーシートなのに三脚を立てている人を顔認証を使ってシステムで以降の試合を出入り禁止にできないかとか(いずれもとどろきで実際にいた人たちです)、NECだったらできそうじゃないですか。

また、今季大きかったのはこれです。