東レアローズ好調の要因を考える

東レアローズ滋賀
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20/21シーズン、ここまで半分以上を消化しましたが。東レアローズが好調です。なにせ開幕から無敗。13勝0敗の37ポイントで、2位のJT(32)を5ポイント引き離しています。

東レファンとして試合を現地で見てきた中(有観客の8試合中7試合)、この好調の要因をいくつか挙げさせていただきます。戦術とかそういうのはわからないので、それ以外の話です。

①コロナ禍で実現した選手間連携の向上

東レは昨季と比べて堀川選手と日高選手が抜け、坂本選手が入っただけ、と。戦力面は昨季と変わっていません。また、何より大きかったのがクラン・ヤナ選手がコロナ禍で帰国できず、ずっと日本にいたこと。代表選手たちも合宿が短く基本チームに帯同できたことが大きかったです。

他のチームが外国人選手が来日できない中、東レはいつでも開幕OK、な状態になってました。JTや日立、KUROBEのように外国人選手が昨季と同じなのはまだしも、新外国人選手を獲得したチームは選手の来日が直前になるケースが多く、リーグ戦を通して連携を向上していくほかありませんでした。この差は大きかったわけです。

もっとも私は昨季からほとんど変わっていないことでデータが揃っているため、相手に徹底的に分析されると思っていました。選手が揃っていることは必ずしも有利にはならないと思っていましたが、うれしいことにこれは外れました。

とはいえ登録選手は15人と選手層も薄く、特にOHは控えに中田、野呂の2名しかいない状態。誰かが負傷したらどうするんだ、と思っていましたがこれが結果的にこの考えにつながります。

②「行けるところまで行こう」という開き直り

選手層も薄い、コロナ禍でいつリーグ戦が打ち切りになってもおかしくない。そんな状況だからこそ、行けるうちに行こうと飛ばしまくっていたのが開幕13連勝につながっていると思います。越谷監督もそのようなコメントを残しています。

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飛ばすだけ飛ばそう、という感じですね。序盤のうちに貯金を作っておこうと。その作戦は見事に成功しています。

③代表選手の好調

これは東レに限った話ではありませんが、代表選手の活動期間が短かったことで選手たちがチームにいる時間が増え、結果的に連携面を向上できたと思います。

代表活動期間というのは、選手を疲弊させている側面が強いのでは。他の代表選手を見ているとそう思います。あと、黒後選手もそうですが、体を絞れた選手が多い印象ですね。石川選手も自粛期間を利用してサーブのパワーアップを図れた印象です。他のチームにも言えますが、自粛期間を有効に使えたかどうか、はけっこう大きいなと思います(別のチームの代表歴のある選手を見て、果たしてこの人は自粛期間中、何をしていたんだ…と思ったりもしたので)。

そして何より個人的に大きいと思っているのがこれです。