その一では、中田ジャパンにおける4つの誤算について書きました。それを外的要因───防ぎようのない、致し方ないもの───とすれば、ここからは内的要因について私なりの見解を書きます。
今回の予選敗退の大きな要因となった試合といえば、誰しもが4戦目の韓国戦を挙げると思います。ここまでケニアに3-0、セルビアに0-3、ブラジルに0-3と1勝2敗。とはいえこれは実力差を考えれば予想されていたものでした。しかも韓国は、いわゆるいじめ問題で主力2選手が抜け、苦戦が予想されていたわけです。
ちなみに韓国は日本戦の前はケニア、ドミニカに勝ち、ブラジルに敗れて2勝1敗。日本戦に勝てば、決勝トーナメント進出どころか3位以上が確定という、非常に大きな試合でした(4位通過だとBグループの首位との対戦になるため)。一方日本は、勝っても決勝トーナメント進出は確定できない試合。ここも頭に入れていただければと思います。
■4連続失点の逆転負けはなぜ起きた?
さて、結果から言うと2-3の敗戦。しかも、第五セットで14-12とマッチポイントを握ったのに、そこからまさかの4連続失点。14-16で敗れました。
ここで日本はレフトの石川選手にボールを集めています。決められなかったことも、上げ続けたことも、批判するつもりはありません。
ですが。明らかに韓国側が対応できていた気がしましたし、集めれば集めるほどその対応の精度がどんどん上がっていったのが問題だったと思います。現に韓国ベンチに読まれていました。
「日本が最後の攻撃をすべて石川真佑に与えることに気付き」
朝鮮日報 東京五輪:選手経験ない「バレーボール界のヒディンク」ラバリニ女子韓国代表監督
このときテレビ中継の解説は前代表監督の眞鍋さんだったのですが、彼も「ここは石川ですね」と言っていたのが印象的でした。つまり、最後は当たっている人に任せる、というのは日本女子バレーボールの伝統芸ということが言えると思います。もしかしたらそこを韓国側に読まれていたのかもしれません。
最後は当たっている人に任せる。それも素晴らしいことです。でもおそらくですが、それは絆というか、仲間意識によるものが大きいと思います。また、これが例えばメダルがかかった大一番、とかならまだわかります。
韓国戦、大一番でしたか?
決勝トーナメント進出が確定するわけでもない試合ですし、目指しているメダル獲得の単なる通過点、ですよ?
ただ、このとき、選手たちの表情にあまり余裕がなかったのが印象的だったんですよね。マッチポイント取っているのに追い詰められているようだった。なんでそうなったのか、は後でお話しします。
ちなみにですが、石川選手のこの日の決定率は帳票によると21.82。古賀選手の25.71に及びません(第四セットこそ37.50ですが…)。「当たっている」といえる数字でしょうか?