21/22 マイVリーグアワード~ベスト6編~

マイVリーグアワード
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

V2女子を含めると62試合見てきた私が、個人的にV1女子で今シーズンよかった、と思うものをアワード形式でご紹介するマイVリーグアワード。会場編スタッフ・試合編控え選手編に続いて、お待たせしました?。いよいよベスト6の発表です。

改めて。このベスト6は、全日本の代表チームを作るのではなく、あくまで自分の好きなVリーグのチームを作る、という観点で選んでいます。なので外国人選手も対象ですし、アジア枠や人数など規程もそのままです。また、いわゆるオールスターではなく、ある程度現実的なチームにしています。

今回もチームに欲しい!と思った選手順、にしました。そんな優先順位にも目を向けていただければと思います。

①松井珠己選手(セッター・デンソーエアリービーズ)※初選出

彼女を一番にした理由は、彼女にこのチームを預けたら果たしてどんな戦いを見せてくれるんだろう、という楽しみが大きいです。プロデューサーというかな。なのでマイベスト6というよりは、もはや「マイ松井共和国」です(笑)。

今シーズンのデンソーエアリービーズ、通称・松井共和国21/22(笑)については、ここにたくさん書かせていただきました。

彼女はトスワークもさることながら、統率ぶりがいいんですよね。失点してもサッとネット際に行って「まだまだ!まだまだ!」と言ってサインを出す。失点からのサイン出しの最速記録保持者ではないでしょうか(笑)。

あとやっぱりツーですよね。対戦相手からはさんざん「ツーあるよ!」「ツー!ツー!」とうるさいくらい言われているのに、ちゃんと決めてしまうところはめちゃくちゃカッコよかったです。

しかし6位とはいえ、選手が大幅に入れ替わったデンソーをここまで引き上げたのは彼女によるところが大きいと思います。私の中でパリ五輪の正セッターは彼女なのですが、彼女は弱者の戦い方というか、限られた戦力の中、それを最大限に引き出す能力があると思うんです。こういってはなんですが、世界を見れば日本の順位、立ち位置はデンソーに似ているといえますよね。

まあ後こんな風に「うわあ、マジか~」みたいな表情とか、いいプレーをした選手へのジェスチャーもいいんですよね。喜怒哀楽をはっきり出すという。ポーカーフェイスも大事だけど、いいときはいい、悪い時は悪いとはっきり示した方がいいと私は思いますし。

これから挙げる選手も、松井選手と組んだらどんなコンビネーションプレーが見られるんだろう…という楽しみが大きいです。
※その点では、これからの日本代表はそんな試合ばかりになるので、個人的に楽しみにしています。

②曽我啓菜選手(アウトサイドヒッター・NECレッドロケッツ)※初選出

当初は別の選手にしていたのですが、3月の岡崎・中総での試合を見て替えました。というのも、彼女がミドルブロッカーのようにブロードを決めたり、ライトからセンターに切り込んでアタックを放ったりと、自由自在と言いますか、「曽我システム」になっていたんですよね。こういう、何してくるかわからないシステムって大好きなんですよ。

従来のアウトサイドヒッターの枠にとどまらないというか。そんな点でも見ていて楽しい選手なんですよね。バレーボールのセンスの塊、を見ている感覚です。元々赤ロケは古賀選手をメインで撮っていたのですが、今シーズンは出番が多かったこともあって、切り替わりました。ちなみに今シーズンの東レの振り返りで書いた、「私の中の東レアローズ、が詰まった選手」は彼女です。

あと、コート上で選手たちを統率しているんですよね。サラとも通訳なしで話してましたし、来季キャプテンになったら面白いなあと思ってます。

これは余談ですが、東京五輪で古賀選手が「古賀ちゃん」で注目されて、でもそこを入口に「曽我ちゃん」が注目されたらいいなあ、と思っていたのですが、実際そうなった方がいたのはうれしかったです。

最後に、曽我選手の今シーズンのマイベストショットです。この、両足を揃えてスッと跳ぶ姿はめちゃくちゃカッコいいんですよ。