熱闘沸闘圧闘レッドロケッツ

NECレッドロケッツ川崎
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

2015年のW杯でバレーボールに興味を持った私が初めて見に行ったのがVリーグの開幕戦の久光対上尾だった、ということは何度も書いたが、そのときはフラッと、当日券で入ったものだった。「この試合を見に行こう」と決めて前もってチケットを買ったのが、2015年12月の川崎大会、NEC対東レだった。だって、木村沙織対古賀紗理那!そう、誰しもハマるときって最初はそんなものだ。

ちょっと話はそれるけれど、バレーボールの選手たちが一部の選手だけにフォーカスが当たったり勝手に肩書きをつけたり(最近は古賀ちゃんを木村沙織の後継者とか、木村沙織ブランドをつけて報じるようにね)、アイドル的な報道に辟易する人ってバレーボールファンはたくさんいると思う。だけれど、そういう報道で興味を持つ、私みたいな新しいファンがいるし、新しいファンを増やして裾野を拡大するという点は理解していただければと。サッカーもWBCもそうだけれど、盛り上がる代表戦をいかにリーグに引き込むかが大事。リーグが潤わないとその競技が潤わないし。潤うことで底辺が拡大して競技人口もファンも増える。

ただ、正直言うと代表戦に興味を持ってリーグ戦に足を運んでここまでハマった私みたいなケースはちょっとレアだと思うし。私みたいな人が増えたらいいなとは思う。だからこんなブログを書いています。バレーボールに全く興味のなかった人がどうやってこんなにハマったのか。その過程はきっと参考になると思う。

話を戻す。

そうして足を運んだ12月の川崎大会。チケット発売日に余裕こいて、発売時間から30分立って買いに行ったら二階席しか残ってなくてびっくりしたのもいい思い出だ。そしてその試合が私とNECレッドロケッツとの出会いだった。

とはいえまだ観戦二回目。NECの知識はそれほどなかった。ただ、去年のMVPという近江という選手は見たいと思っていた。ところがケガの影響で近江選手はベンチ。がっかりしたけれど、テクニカルタイムアウトなどで献身的にどこかやさしく選手たちの肩にタオルを掛けている姿(上の写真の右。リベロ登録なので赤いユニを着ていた)や、控えエリアから声を出している様子を見て、NECというチームの一端は垣間見られたと思った。

その後NECは皇后杯や2月のファイナル6の大田大会で見たが、ファイナル6で気づいたのが、試合前練習で最初にコートに入ってきたときに円陣を組む儀式があること、だった。他のチームではあまり見なかった光景なのでものすごく印象に残った。NECに興味を持ったのは思えばこのときだった。コート入場という、試合に臨む第一歩でまず円陣を組んで選手、スタッフみんなで一つになる。今までの練習は練習。今日は試合。厳しい練習もこの試合のためにやってきた。今日は楽しもう!そんな気持ちの切り替えみたいな姿勢が伝わってきた。

それから時は流れ、2016年11月の西尾大会。Perfumeのライブを見に名古屋に遠征した私は、Vリーグが開催されていることに気づき、せっかくなのでと足を伸ばした。西尾は足を伸ばしていくような場所じゃなかった。それが久しぶりのNECの試合だった。真っ先に気づいたのは、古賀ちゃんのたくましさ、だった。NECはAVCアジアクラブ選手権に出ていたし、一足先に試合をこなしていたことでチームとしての成熟度が他のチームより進んでいると思った。こりゃ強いぞ。