パリ五輪 眞鍋ジャパンの実感 その1~VNL準優勝の輝き~

日本代表
all text and photographed by
Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

バレーボール女子日本代表のパリ五輪が終わりました。選手、スタッフの皆さん、そして現地に行かれた女子ファンの皆さん、お疲れさまでした。

結果は東京五輪に続く予選ラウンド敗退というものでしたが、ここではこの三年間の過程を私なりに振り返ります。前回の東京五輪の総括がなにげにアクセスが高く、まあ改めて読むと結構辛辣なことも書いているのですが、であればパリ五輪についても書くべきでは…と思った次第です。とはいえ有識者ではなく無識者ですので、多くのものは求めないでください。

前回は「空虚」という言葉を使いましたが、今回は「実感」にしました。後ほどその言葉の意図をご説明します。

いきなり求められた短期間での「立て直し」

今回のパリ五輪、まず忘れてはならないのは前回の東京五輪から4年ではなく、3年しかなかったということです(いうまでもなく一年延期になったため)。しかも、東京五輪は開催国というアドバンテージがありながらも、1996年のアトランタ五輪以来の予選ラウンド敗退(※2000年のシドニー五輪は出場すら果たせず)。一方の男子は29年ぶりに予選ラウンドを通過するなど対照的で、人気面含め停滞期に入りかねない状態だったわけで、そこからのスタートでした。

そんな状態で代表監督が務まるのは眞鍋さんしかいなかった、というのは間違いなく言えると思います。もちろん代表監督歴がある、しかも銅メダル獲得、という実績もありますが、火中の栗どころか、燃えさかる炎の中の栗を素手で拾うようなもので、それができる人、という点でもです。あと、個人的にはメディアの使い方がうまく、予選ラウンド敗退でメディアの注目度が下がることを食い止めることができる人、という点も適任だったと思いますが、この話は後でします。

ただ、東京五輪後の代表に対しては、ファンの間では比較的ポジティブな雰囲気になっていたのではないでしょうか。それは間違いなく、初戦のケニア戦で負傷して東京五輪では本領を発揮できなかった古賀紗理那選手の存在だったと思います。彼女がいるから大丈夫、この無念をパリで…。それもあって、眞鍋さんは彼女をキャプテンにしたのかなと。絶対的なエースをあえてキャプテンに据える、ということですね。キャプテンという肩書を力に変えることができる選手ですから。

私は眞鍋ジャパンとしては国内で最初のお披露目(それより前に合宿の公開はあったかも)となった2022年夏の、世界選手権壮行試合(紅白戦)を見に行きましたが、選手、ファン含めた雰囲気はよかった印象ですし、何より古賀選手が選手にこまめに声掛けをしていて。キャプテンの風格というかな、そういうものも垣間見られました。今にして思えば骨格が見えたかな。

この、古賀選手のキャプテン起用から始まったと言ってもいい第二期眞鍋ジャパンですが、パリ五輪に至る大会スケジュールでありステップとしては、このようになってました。

2022年 世界選手権(目標:ベスト8)

2023年 パリ五輪世界予選(OQT)(目標:五輪出場権獲得)

2024年 ネーションズリーグ(目標:五輪出場権獲得、ランキング上昇)

パリ五輪(目標:メダル)

まずはそれぞれがどんな内容だったか、簡単にダイジェストで振り返ります。

なお、私はこの第二期眞鍋ジャパンにおいては、2023年までは代表戦を欠かさず見てましたけれど(それこそOQTは日本戦以外も全て現地観戦しました)、2024年についてはネーションズリーグ(以下VNL)香港ラウンドのドミニカ戦以外は一切見ていないので、ただでそえ軽薄な考察(と言えるのかもわかりませんが)がなおさら薄くなる、ということをご了承ください。とはいえそれは普段バレーボールをあまり見ない一般の方と同じ感覚なのではとも思います。一個人の薄い考察としてここからお読みください。