ホームゲームの運営などについて感じたことをつらつら書いてきた「THIS IS HOME」シリーズ。これまで各チームのホームゲームを訪ねた際に感じたことを、チームごとに書いてきました。
今回は今シーズンV1に初昇格したプレステージ・インターナショナル アランマーレ(以下アランマーレ)。11/11、12に行われたホームゲーム・鶴岡大会について書…いていたのですが、シーズン中ということもありなかなか書き終えないうちに12月の一関大会も行ってきましたので、そちらについても追記いたします。
いつものように感じたことをポイント形式に記載していきます。まずはそもそもアランマーレとは。
①酒田における一大企業「プレステージ・インターナショナル」
アランマーレの母体企業・プレステージ・インターナショナル。といってもピンと来る方はかなり少ないでしょう。
売り上げは545億(2023年3月期)で、これは久光(1201億※2022年度)やPFU(1345億※同)の半分と決して大きくはない企業規模ではありますが、とはいえ営業利益が10期連続で増益を更新と業績も好調で、Vリーグ屈指の安定した経営母体といえるでしょう。
私自身この会社は存じ上げていなかったのですが、事業内容を見るとメインはコールセンターの受託のようですね。このコールセンター事業は、ネットの普及と共に一気に伸びてきた印象があり、かつ、都心ではなく地方が多いんですよね。コールセンターであれば何もオフィス賃料も人件費も高い都心にある必要はないですし、地方からすれば多くの雇用が生まれるメリットがあります。
実際、アランマーレ山形のある酒田市にもプレステージ・インターナショナルの山形BPOパークがあり、700人もの従業員がいるそうです(鶴岡大会で配られたパンフレットより)。ちなみにこのBPOというのは「ビジネスプロセスアウトソーシング」の略です。簡単に言うと、企業が全てを自社で担わずに、その道の専門分野のプロに業務を委託する、ということですね。このあたりの話は細かく説明すると長くなるので簡単に触れるだけにしますが、いずれにしても業界としてはそれなりに安定した、堅実な分野だと思います。
そしてこのプレステージ・インターナショナルの何よりの特徴はバレーボール以外にも、バスケットボール、ハンドボールのチーム(共に女子チーム)を有する総合スポーツチームという側面もあるということです。チーム名はいずれもアランマーレで、それぞれ秋田BPO、富山BPOを拠点にしています。
親会社が複数のジャンルのスポーツチームを有するというのは、V1女子に限ればデンソー(バスケ、ソフト、陸上等々)やNEC(ラグビー)くらい。その点でもスポーツに理解の深い企業といえます。恐らくですが、コールセンターという事業を考えると女性従業員の比率も高いのでは。なのでスポーツチームもいわば社員の福利厚生の一環という意味合いが強いのかもしれません。
また、700人もの従業員がいるということは、それだけ酒田市への影響も大きいのではと思います。つまり、自治体のバックアップもあるでしょう(それだけ雇用を生み出してくれている&住む社員も多いでしょうから)。
と、まずは母体企業について簡単に触れましたが、これはけっこう重要だとこれを打っていて気付いたので、後ほどまた触れます。
さて、私自身は長い人生でも酒田は行ったことがなく、またアランマーレは昨シーズンが初見とあまりなじみがなかったのですが、この鶴岡大会はV1昇格初のホームゲームということ、そして推しのチーム(東レ)の試合もこの週はない、ということで足を運びました。
なお、酒田ではなく鶴岡でホームゲームが開催されたのは、酒田市国体記念体育館が今年度は改修のため使えないからです。
続いては現地に行って感じたことです。