18/19東レアローズ執風記~レギュラーラウンド編~

東レアローズ滋賀
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

2019/2/9 対埼玉上尾メディックス ○3-1 ウカルちゃんアリーナ 勝利の円陣:白井選手

ファイナル8に向けて負けられない試合。しかも翌週の愛媛がKUROBEとPFUが相手と言うことを考えると、この時点で東地区一位の埼玉上尾との試合は大一番と言ってよかった。たった土曜の一試合のためだけに遠征するのは当初は憚られたけれど、12月のウカルちゃんでいわば虜になってしまった。

会場には登録されたばかりの石川真佑選手など内定選手もいた。「こういうチームに入ってよかった」と思ってもらえるようなホームゲームの雰囲気にしたいと思っていた。

そして今まで避けていたいわゆるスーパーシートに今回初めて座ってみた。座って気づいたのは、何にも遮るものがないから選手を撮りやすい席、だけではなく、何も遮るものがないから選手に声が届く席、だった。コーチ達が「ティップ!ティップ!」と初めて聞く用語を連呼していたり、これまで見たことのないバレーボールの世界が目の前に広がっていた。

試合は二セットを連取し一気に行けるかと思ったらそうはならないのが今季の東レ。第三セットはリードを奪われ、結局14-25と落とす。ファイナル8のためには三ポイントを取らなければならず、第四セットを落とすわけにはいかない。しかも試合前には岡山がデンソーをまたもや3-0と下していて、もはや岡山がこけるのを待っている状況ではなかった。

埼玉上尾も東地区一位通過がかかっていたので必死に食らいついてきたが、25-22と振り切り、なんとか三ポイントを手に入れた。私も「ここは三ポイント取らねば」と勝手に熱くなっていたので、戻ってきた選手を拍手で迎えたり、少しでも撮るのを減らすようにした。

にしても、勢いに乗っていた埼玉上尾にこうして快勝できたのはいわば東レの底力を感じさせた。こういう試合をしていれば大丈夫。そんな確固たる自信が根付いた試合だったのではないだろうか。それは、この試合がこの雰囲気のウカルちゃんで行われたことも影響していると思う。そういえばVOMのインタビューで黒後選手が「東レは出だしが悪いので最初から飛ばそうとした」みたいなことを言っていたっけ。きっと、この会場はそれを後押しできたはずだ。

その中の一員でいられたことはささやかな誇り、だった。

2019/2/16 対KUROBEアクアフェアリーズ ○3-0 愛媛県武道館 勝利の円陣:マナバット選手

まさかこの地にいるとは思わなかった。まあ、ファイナル8進出がかかっている今の東レアローズを追いかけたいと思ったのが全てだったが…

というのはここに書いています。

試合は無事に3-0でKUROBEを下し、ファイナル8進出を確定させた。にしても岡山は10日の久光戦でフルセットにもつれ込む可能性のある試合をしていて、執念の戦いを繰り広げていた。あの岡山がなかったら今年の東レはなかっただろうし、岡山にいる自分もなかった。東レと岡山の試合結果による勝ち上がりの条件表まで作ることもなかっただろう。

この日は13時試合開始なのに10時開場。会場に着くと、選手たちもちょうどやってきたようで、リラックスした姿でウォーミングアップしていた。それは、まるで日常の選手たちの姿を垣間見ているようだった。

いや、選手というよりは同士だったり、そしていわば親目線で見ているというか…だからたぶんだけれど、僕の撮る光景やアップする光景、いわば作風も変わってきているのではと思う。

にしても、一試合、しかもストレートという短時間の試合なのに128GBのメモリーカードをほとんど使い切るとは思わなかった。全部、試合後のみきゃんのせいだ。