18/19東レアローズ粘風記~ファイナルステージ編~

東レアローズ滋賀
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

2019/3/31 対JTマーヴェラス ○3-1 島津アリーナ京都 勝利の円陣:関選手

勝ち負けはいい。とにかくいい試合が見たい。僕はそう思っていた。お互いがいいところを出し合い、悔いなく全てを出し切る試合。両チームともこの日が今シーズン最終戦になるかもしれないけれど、それにふさわしい、胸を張れる試合になればと思っていた。

これまでたくさん見てきたウェルカムボードもこの日が最後(最終戦)になる可能性があった。どこかインクを使い切るような、これまでにない気迫の伝わってくる一枚に、都さんの思いまで伝わってきた。

試合は最初のセットをあっさりと落とし、ああ、これがJTとの差か…と腹をくくっていた。ボールに追いつくときの数センチが足りない。そう思っていた。ところが、そこからなぜか東レは三セットを連続で取ってしまう。今にして思えば、JTはファイティングスピリッツでボールに追いつくけれど、逆に言えばそれだけ体力を消耗していたのかもしれない。がむしゃら。昨日の試合をモノにして第一セットを取ったことで「一気に決めよう」と思ったJTを結果的に消耗させてゴールデンセットに持ち込んだ、引きずり込んだのかもしれない。試合を見ていてそこまでは感じなかったけれど、後でDAZNを見てそう思った。

僕はせっかくNECファンの方に譲っていただいたDAZNシートで見ていたのに、最初は第三者のように試合を見ていたけれど、試合が白熱するにつれいつものように声で選手たちを鼓舞していた。僕も、引きずり込まれていた。

ファイナル進出の瞬間は個人的な喜びが一瞬訪れたけれど、すぐにファインダー越しに見える光景に全てを集中させていた。ファインダーは、泣き崩れる関選手の姿を捕らえていた。僕の個人的な感情などどうでもよかった。これをきちんと収めて、伝えなきゃ。

試合後は関選手を中心に輪ができていた。

もしかしたら僕は、これから全日本の一時代を築くセッターの原点を今目の当たりにし、撮っているのかもしれない。

そして僕はこのカットは今季撮ってきた東レの中でもかなりの順位に入る写真だ。ファイナル進出を決め、成長した姿を中道さんに見せられていることの誇りの表情というかな。

だから、東レにはいい風が吹いていると思った。

2019/4/6 対久光製薬スプリングス ●0-3 武田テバオーシャンアリーナ

この話はここで。

とにかくファイナルの舞台に立てたことが信じられなかったし夢見心地だった。ファイナルは試合前の演出からしてファイナルだった。いつもの東レの走って入場、もできなかった。とにかくリーグ戦とも違うどこか別の舞台での戦いだった。

きっとそれは僕だけでなく選手たちも同じ感覚だったと思う。久光にとっては日常だった。その時点で既に勝敗は決していたと思う。ファイナルがこの一試合だけでなくてよかった。夢見心地のままで試合が終わってしまったらたまったものじゃない。

このファイナルも3と同様、二試合あるのだから初戦はそれこそ0-3で一蹴されて二戦目で勝てばいい、そう思っていたけれど本当に0-3で一蹴されるとは思わなかった。しかも第二戦に向けての好材料と言えば石川真佑選手が活躍したことくらいだろうか。ああ。さすがにこれはきついな。