「ポジション・日高萌」

東レアローズ滋賀
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

まず最初に質問です。

もしあなたがバレーボールで実際にプレーするとしたら、どのポジションがいいですか?

少し考えてみてください。

私にとって丸々一シーズンの空白期間があったVリーグ、そして東レアローズ。昨年10月に東京に戻ってきた私にとっては、木村沙織さんも迫田さおりさんもいない東レアローズはいわば浦島太郎状態だった(もっともその頃は二人に夢中すぎてあまり他の選手に興味は持っていなかったのだが)。

たまたま開幕前に見たDAZNの特番で、12番の選手を追いかけようとして始まった、東レアローズファンとしての私の18/19シーズンだったけれど、思えば日高萌選手に注目するようになったのは観戦二試合目となった、11月24日の刈谷だった。

そのときは東レのベンチ近くの席だったんだけれど、セット間でトスを上げている様子が印象に残った。いや、なんかかわいらしい選手がいるなあというそういうことだったんだけれど。で、調べてみるとその4番の選手は日高萌という選手だった。萌。選手名鑑を見てもどこか儚げな感じの選手に見えて、何かあまり話さない、おとなしい選手という印象を勝手に抱いていた。

そんな第一印象は、12月のホームゲームであっっっさりと、大きな音を立てて崩れていった(笑)。こういうのをギャップ萌えというのだろう。

年が明けると推しの選手(小川選手だ)がだんだん控えに回ることが多くなったんだけれど、結果的に私は控え選手たちを多く知ることになって、東レアローズというチームをより知っていくことになった。今シーズンのリーグ戦でセッターのレギュラーとして日高選手が立つことはなかった=控えエリアにいたから、結果、必然的に日高選手を知るようになっていった。特にちょうどその頃はビンチサーバーとしての出番が増えていた。

そして、やがてピンチサーバーとして出番を終えて交替するとき、コートに一礼する光景が印象に残った。Vリーグでそれなりに多くの選手を撮っているけれど、コートを去るときに一礼している選手というのは日高選手以外に思い当たらない。