音で楽しむVリーグ

Vリーグトーク
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

■「多彩」デンソーエアリービーズ

Vリーグにおける応援は、

・選手たちを後押しする

・選手たちの気持ちを乗らせる

・自軍のファンを盛り上げる(簡単に言えば大声を出させる)

という三つの要素があると私は思います。

この三つの要素のバランスがいいのがこのチームだと思います。

まず「選手たちを後押しする」という点では、得点時の音楽でV1女子の中で一番好きなのが、これです。原曲はWhiteberryの「夏祭り」です(個人的にはジッタリン・ジンの世代ですが 笑)。

得点という選手のとってのガッツポーズというか「よっしゃあ!」という気持ちに火をつけるというか、より熱を上げる選曲だなと思います。気持ちを盛り上げる得点時の音楽は多いですが、火をつけるというのはデンソーのこの曲だけじゃないかなあと。

続いて「選手たちの気持ちを乗らせる」という点では、デンソーはけっこうセット間のテクニカルタイムアウトなどでJ-POPを取り入れています。これは確か1月の岡山ですが、1月1日に配信開始になったばかりのいきものがかりの新曲を流していたんですよね。あと、田原愛里選手が好きなLittle Glee Monsterの「世界はあなたに笑いかけている」を流したり。

あと、チーム名にちなんで遊助のこんな曲も流してますね。

応援団席にいる人も、知っている曲だったりポピュラーな曲が流れていると手を叩いたり乗りやすいじゃないですか。まああと勝利時のこの曲も好きです。

デンソーはセット間の移動の時も何かBGMを流していた気がしますが(荘厳な曲だった印象)、動画が見当たらなかったので。ただ、多彩な曲を適材適所に配置していて、本当に楽しいチームです。というより、このブログを書いていて、こんなにデンソーの音楽が体にしみこんでいたのかと思いました(こんなに書けるとは思わなかった)。

■「ライブ」日立リヴァーレ

さっき三つの要素と書きましたけれど、日立リヴァーレにはそこにさらに「会場のお客さんを盛り上げる」という要素が入ってきます。

会場に来ている人は、両チームのファン以外の人もいます。というよりむしろこの層こそが一番多いのかもしれません。次の試合のチームのファンだったり、誰かに誘われてきたり、これは学生に多いですが、協会から無料券をもらってきたり等々。日立リヴァーレはけっこうそこに呼びかけている感じなんですよね。というより「会場に来た人みんなに楽しんでもらいたい。結果、日立リヴァーレを応援してくれたらうれしい」そういう感覚です。会場に来た人が日立リヴァーレの応援に衝撃を受けていつの間にか応援している、なんて光景やツイートはたくさん目にしました。

そんな、いわばフルメドレーみたいなのがこの動画です。

日立リヴァーレって応援団が入場してくるときに欅坂46の「Overture」使うんですよね(流せる機会が限られているのでたまにしか使いませんが)。これは坂道好きとしてはものすごくツボです。

日立リヴァーレのオリジナル曲の世界観って、エレガンスなんですよね。キラキラしている感じ。ちなみに得点時のBGMは実は一つしかなくて、でもこれが最初Vリーグを見始めたときにすぐに印象に残りました。そんな日立リヴァーレの楽曲の世界観、が全て詰まっているのがこの曲です。

これは試合前の、応援団同士の練習の時、最初に流れる曲なのですが、華やかさの一方で、ヒーロー物(というより宇宙戦艦ヤマト)みたいなテイストも混じっていて非常に絶妙なメロディーです。

あと、テクニカルタイムアウトなどでは誰しもが知っている曲を流すのも印象的です。例えばこれ。

ちなみにこの曲では団員たちが手にしている太鼓の揃いっぷりもぜひ注目していただきたいです。揃っているからより会場にこだまするんですよね。いやー、これ、相当練習していると思いますよ。他にも「南の島のハメハメハ大王」なんかも使ってますね。誰でも知っている曲を使うというのは、会場の人たちを巻き込むという点で非常に大事です。

昨シーズンは「USA」を使ったり、セット間のテクニカルタイムアウトでのパフォーマンスでいつも楽しませてくれますが、個人的にはソーラン節が好きです。しかも法被を着て本格的なんですよね。ほんと、アーティストのライブです。

※再生位置を指定していますが、冒頭から再生されてしまう場合は7:20からご覧下さい。

あ、あと、日立リヴァーレって音を鳴らさずに選手名を連呼するバージョンもたまに入れています。それによってメリハリを利かせているのと、選手にもより届きやすいそうです。野球で言う千葉ロッテといえばわかりやすいかと。

音響に依存しない応援も取り入れていることは、音響禁止の試合が導入された昨季のVリーグでは強みを発揮した印象があります。

Vリーグの面白さというのを間違いなく日立リヴァーレの応援団は示していると思います。彩りを添えている、という感じでしょうかね。

最後に。

私は先日サッカーの試合を見に行ったのですが、自分の好きなチームのチャントっていつ聞いてもいいというか。もうその歌が体の一部になっているというか。試合を見るだけでなくチャントを聞きに行っている感覚もあります。

例えばフェスとかで、自分の好きではないアーティストのライブってあまり興味ないですよね。流れている曲が自分に合わない、なんてのは当たり前のようにあります。音楽は、人の心をつかむというか。自分が応援するチームというのは、間違いなくその音楽も好きになっている部分があると思います。

ファンを、よりファンにするためには音楽も欠かせないんです。

東レアローズは、「応援とは何か」という応援論と合わせて別で書きます。