Vリーグの撮りどころ22/23シーズン ~久光スプリングス編~

カメラ
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

池谷優佳選手のハリセンの使い方

池谷選手は、ベンチ外のときはハリセンを掲げて選手たちを鼓舞するシーンが多かったんです。ベンチ外でもできることはある。そんな矜持が伝わってきましたね。

これはファイナル進出がかかったファイナル4のNEC戦ですが、こうしてハリセンを掲げてファンの人たちにも応援を呼びかけていたんですよね。こういうハリセンの使い方など、久光はファンの人たちの巻き込み方がとてもうまかったなと思います。

コートにいる選手と、それを見守る控えエリアの選手たちをセットにした光景は好きな撮りどころなのですが、ベンチ外選手をセットにした光景が撮りどころになるのは久光だけです。まあ、コートにいる選手と、客席にいるファンを媒介する存在でしたね、久光のベンチ外選手は。ファン代表みたいになっていたかな。

でも、11月の宮崎大会ではこんな感じでフリーダムだったんですよ(笑)。こういう光景も好きでしたけれど、シーズンが進み上位争いが熾烈になってきたら雰囲気も変わっていった、ということと、ベンチ外に回る選手が入れ替わったことともありますかね。そう考えると池谷選手や吉武美佳選手の存在って大きかったんじゃないかな。

池谷選手に話を戻しますと、そのキャラからも撮っていて楽しい選手でした。荒木選手のサーブの時にはゴーグルをつけているようなポーズをして応援していたり(笑)。退団はびっくりしましたし、移籍希望になったときはウチ(東レ)に来てくれないかな…と思ったのも事実です。

サマーリーグで見たウチは池谷選手のような明るく太陽みたいなキャラが何より必要だと思いましたし、リベロは一人なのでなおさらだったのですが、PFUもあのチームカラーは池谷選手にうってつけだと思いますし、林選手とのレギュラー争いが楽しみですね。

さて、ここからはアウトサイドヒッター編です。

男前なリセ・ファンヘッケ選手

2月の四日市大会で、荒木選手がブロックを決めたときに、あまりの会心ぶりからなのか、一緒にブロックに跳んでいたファンヘッケ選手が「やるな、お前」みたいに突き飛ばしたことがあったんですね。後で謝っているのですが、なんかファンヘッケ選手って男、いや、漢を感じることが多かったなと(笑)。このシーンもそうです。

濵松明日香選手がブロードだったかな、得点を決めて、次は彼女がサーブなのでその勢いのままサーブの準備をしたいのか、選手たちの祝福を受けずにサーブの位置まで一目散に走っていこうとしたら、ファンヘッケ選手が「ちょ、待てよ」と言わんばかりに追いかけてきて叩いているんですよね。これ、現地で見て笑いながら撮ってました。けっこう面白い選手でしたね、ファンヘッケ選手。

さて、長々と、本当に長々と書いてきましたが、最後にやはりこの選手は欠かせません。今シーズンで引退された、石井優希選手です。