Vリーグの撮りどころ22/23シーズン ~V2編~

カメラ
all text and photographed by
Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

GSS東京サンビームズ

ここも部活動の色彩が強かったですね。練習開始前には、選手が一芸を披露するルーティンがありました(笑)。

少し話がそれますが、GSSは母体が派遣会社で、選手たちはバラバラで働いているため、またたぶん拠点が東京なので練習場所の確保も難しいでしょうから、なかなかみんな揃っての練習ができないのではと思います。それもあって公式練習ではない、試合前練習をすごく大切にしている印象を受けましたね。みんなが揃う、コートでボールを使った練習、として。

このチームは何より、初見だと脳がバグるチームでした。なにせ試合によってはセッターだと思った菊地零選手が急にアタックを打って、気づいたら森田選手とのツーセッターになっていたり。「え?どういうこと?」みたいなのが多かったです(それも初見の醍醐味です)。菊地選手については左利きなので、アタッカーにもして活かす部分もあるのでしょう。いやあ、V1以上にV2は戦術の幅が大きいなと思いました。

また、サービスエースやブロックのときはこんなセレブレーションがあるのも楽しかったですね。当然頭に入れていないと撮り逃すので、上記と合わせてGSSはけっこう集中力が求められるチームでした。

選手で言うと、畠山初音選手はムードメーカーですね。初めて見た荒川大会で、控えエリアで楽しそうにしていたのが印象的で(確か「今日はこんな振りでいこうか」みたいなことを自らやってました)、それをきっかけにカメラを向けるようになりました。

またV1時代によく見た合屋咲希選手が今シーズン加入したので、自然と追いました。普段V1中心の私にとっては、その時見ていた選手がまた見られるというのは楽しいものです。合屋選手は任意引退になったので一シーズンだけになってしまいましたが、見られてよかったです。

そして。普段見ていないチームを見るということは、選手の動きが予測できないということでもあったりします。特にOHの場合バックアタックをするかどうかは全くわからず。でもそんなときに山を張ってカメラで狙ったときにバックアタックがあると、「キターー!」と叫びたくなるくらい(笑)の快感があります。この伊藤きわ美選手の写真は、まさにそんな一枚でした。

ホームゲームでは選手が保育士になっている施設の児童がVOMインタビューに登場したり(質問が「好きな食べ物はなんですか?」で、会場が笑いに包まれました)、撤収も選手自らがやっていたり(V2はどこもそうかもしれませんが)と、GSSらしいホームゲームだなと思いました。Vリーグの原風景と言いますか。この荒川大会は本当に楽しかったです。

とめちゃくちゃ長くなってますが(GSSでこんなに語るとは思わなかった…)、

そんなGSS東京サンビームズの今シーズンの個人的なベストショットはこちら。

このチームで一番撮ったのは中澤恵選手です。マイVリーグアワードのV2ベスト6編に、そして個別に記事も書いたのでそちらをお読みいただきたいのですが、

3ヶ月限定のVリーガーになれたのも、このGSS東京サンビームズというチームのおかげ。この一枚は、たった3ヶ月だけれど、立派なチームの一員として選手たちに迎えられていた証だと思うわけです。