③空席を埋めるため&⑤ニュース性
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Buttobi(ぶっとび)シート(大田ではNECのスタートコートの反対側のエンドのスーパーシートの一部)
いわゆる企画シートです。ぶっ飛んだ企画、というのが名前の由来と思われます。12月のとどろきでは、後ろの方とは言え12月にちなんで12円で販売してました。
大田では座席位置もエンドのスーパーシートに移し、さらにぶっ飛んだ企画チケットを3つ展開してきました。
「祝・成人シート」は、1/15、16という成人式間近の日程もあって、成人を迎えた人を対象に20円で販売するというもの。選手から成人おめでとうメッセージもついてきます。1/29、30の「曽我ちゃんシート」(一般12,000円)はその場で曽我選手と2ショットが撮れるというもの。2/19、20の「古谷画伯シート」(同)は、イラストが得意な古谷選手による全選手似顔絵キャンバス(古谷選手サイン入り)付き、というもの、です。
「祝・成人シート」は完全に話題性ですね。そして曽我、古谷両選手のいわばコラボシートですが、話題性もさることながら、NECのスタートコートの反対側という、ファンからすれば優先順位の下がるエリアにした、という点で「③空席を埋めるため」という側面もあると思います。まあ後、これは狙ったものではないかもしれませんが、結果的に対戦相手のファンに買われることがなく、コートの間近の席を赤ロケファンで埋め尽くす、という二次的な効果もあったと思います。
にしても、試合が二試合に限られているとはいえ、選手名を冠したシートは珍しいのではないでしょうか。過去にあったかもしれませんが、女子では現時点では思いつかないです。そして個人的に注目したのは曽我ちゃんシート(古谷画伯シートは、選手特製というのはすごいですが、特典としてオリジナルグッズがついてくる、という点は他チームでもやっているので)。なぜか。試合後の2ショット特典があるから、です。
※だからこのブログのタイトルも「爆誕」にしました(笑)。
お気づきの通り、感染防止対策で、昨シーズンから出待ちが禁止になったり、選手と触れ合う機会が全くなくなっています。もちろんマスクを着用したり距離を取ったり、にはなりますが、でも、選手を間近にできる、という点では曽我選手のファンにとっては貴重な機会なわけです。あと語呂もいいですよね。「ミサキさんシート」「ライさんシート」とかになりそうなところ、曽我選手は「曽我ちゃん」でいい、そんな気がします(笑)。ただ、二文字の名前で後ろが濁点だと「ちゃん」の語呂がいいんですよね。「古賀ちゃん」もそうですし。
ちなみに曽我ちゃんシートの売れ行きはすごくて、ファンクラブの上級会員先行時点で既に完売していたそうです。曽我選手の人気もさることながら、それだけ選手と触れ合うということのニーズが強くあった、ということですね。実際私の知り合いの学生さんもなんとかチケットを取って、感染拡大の中、親の了解もとって駆け付けてました。必死でお金を貯めたそうで、つまりそれだけ強いニーズがファンの中に存在していた、ということです。
席種が豊富で、かつこのようにバリエーションが豊かだと、チケットの売れ行きでどんなニーズが強いのか、がわかりやすいんですよね。今回曽我ちゃんシートの売れ行きが早かったので、来季は同様のファンサービス付きシートを増やそう、とか、そういうことができるわけです。
また、当然選手にとってもうれしいでしょうね。そのシートに座っているのは全員自分のファンだ、と可視化できるわけですから。間違いなく発奮材料になるでしょう。というよりそもそもスタメンで出られるように頑張るでしょうし。自分のシートがある試合で出番がない、なんて嫌じゃないですか。選手を発奮させる。選手名の企画シートには実はそんな側面もあります。
インスタで曽我選手とのツーショットをアップしていた人を、曽我選手がストーリーで紹介するというおまけもついてきて、ファンの満足度はとても高かったのではと思います。当然彼女のファンが増える可能性もありますよね。
もちろん、種別を増やすことはいいことばかりではありません。特に「Cockpit」「ENGINE AREA」など、ロケットの世界観に合わせた名称が、チケット購入時に混乱を生んだのも事実です。ですが、これは試行錯誤の証。来シーズンに活かしていただければと思います。
そして何より、気が早いですが来シーズンはNECレッドロケッツはどんなシートを用意してくるんだろう、と楽しみになってきます。また負けじと他チームからも、知恵を絞ったさまざまな企画シートが生まれたら面白いなあと。ここはいろいろ参考にしあってほしいなと思います。これはもう、アイデア合戦というもう一つのリーグ戦、ですね。