22/23 マイVリーグアワード~スタッフ・試合編~

マイVリーグアワード
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

今季見たVリーグ女子の試合数は67。その中からいつものように、私の大ファン・東レアローズの試合やファイナルといった特別な試合は極力避け、できるだけ普通のリーグ戦にしようと考えた結果選んだのは…

最優秀ゲーム賞:2023/2/26 久光スプリングス対NECレッドロケッツ(四日市市総合体育館)

一言で言えば、「荒木彩花が荒木彩花になった試合」、じゃないですかね。

と偉そうに言いましたが、まず私は今シーズンの開幕前のVリーグ女子会で、注目選手として挙げたのが彼女だったんです。私は高校や大学バレーまでは追っていないので過去の彼女は存じ上げなかったのですが、あるとき見た過去の春高バレー決勝ハイライトで、その無双ぶりにびっくりしたんですよね。

その後大きなケガをされたことは知ってましたし、昨シーズンはリリーフブロッカーとして出場機会が少しずつ増え、この年のアワードで大竹選手と最優秀コンビ賞に選ぶなど、ひそかに注目していました。そして今シーズンはいよいよ真価を発揮するのでは、と考え楽しみにしていたんです。

ですが、今シーズン初めて久光を見た11月の宮崎大会、そして皇后杯準決勝はベンチ外。次の2月の草津大会では出場はしてましたが連敗したこともあって、あまり目立つ活躍ではなかったんです。

ですがその翌週の四日市大会は、トヨタ車体戦でブロックで5得点(しかも3セット)、そしてこのNEC戦では6得点(フルセット)ですからね。もっともブロックで6得点は1月の大田大会でもやっていたようですが(しかもNEC戦)、今回選んだ四日市の試合ではVOMに選ばれましたし(大田でも選ばれていたらすみません)、

あくまで私の中では、ですが、その後名古屋で見たVNLで、日本代表として不動のMBとなっている姿を見るにつけ、今のこの彼女はここから始まったと思うんです。初対戦のイチローを3三振に仕留めたときの松坂大輔の「自信が確信に変わった」と同じというか。

彼女のブロックは本当に壁だなと思うんですよね。アタックを打ったと思ったら次の瞬間床に落ちている、みたいな。惚れ惚れするようなブロックです(何せウチでは見られないし…ボソッ)。

ちなみに上記のブロックの後、こんな光景が。

どうやら一緒に飛んだファンヘッケ選手が「やるな、お前」みたいにドンと叩いたらそれがあまりに強くて、慌てて荒木選手に謝るという(笑)。荒木選手も「今のは痛いっすよ」みたいに言っていて。面白い光景でした。ファンヘッケ選手ってこういう漢気みたいなのをチラチラ見せて、結構好きな選手でしたね。

そして何よりこの写真ですよ。

荒木選手のVOMインタビューを見守るキャプテン・大竹里歩選手とファンヘッケ選手、泣いている濵松明日香選手、荒木選手のゴーグル着けて遊んでいる池谷優佳選手…

来シーズンも、こういう光景を見たいなと思いました。
選手の復活、成長、覚醒、そしてそれを見守る絆。これが私にとってのVリーグ、なんです。

次ページには、これまでの受賞歴を掲載します。宜しければお付き合いください。