特に印象的だったのが、ファイナル第二戦でのこのシーンだ。
試合も後半の時だったけれど、テクニカルタイムアウトで白井選手が関選手に手を叩いてもらおうと近づいていったら、本人が集中していたのでそっと離れていった。もっとも関選手は集中を解くとすぐに白井選手のところに行ったんだけれど。
要は「あー、今集中してるから声かけんとこ」と気を遣えるのが白井選手の魅力なんだと思う。
個人的な印象なんだけれど関選手はオフの日もあまり外出しないそうで、まあオタク志向なのかもしれない。セッターにはそれも大事だけれど、選手たちのオフの日の普段の行動を見て選手の癖を学ぶこともできるわけで、白井選手が積極的に関選手を連れ出している印象を受ける。白井選手のインスタにも一緒に出かけている様子がたまに出てくるし。
白井選手はキャプテンでも副キャプテンでもないけれど、この人ほどチーム全体を俯瞰して、さらにそこに自分なりにできること、をわかっている選手はいないと思う。また、サービス精神も旺盛で、出待ちでファンの要望に気軽に応えたり。私も愛媛大会の後で近くにご本人がいたことがあったのでこの写真を見せたら「あー、やっちゃいましたねー」と笑っていた。そんな選手だ。
チームのことを考えて動ける選手はたくさんいるけれど、そこに気遣い、さらに笑いまで加えられる選手ってあまりいないと思う。しかもその笑いをファンにまで広げられる。
あくまでも私の中で、だけれど、東レアローズの核を追求していったら絶対この白井美沙紀という選手に行き着くと思う。この前、昨シーズンの東レアローズのフォトブックを作ったんだけれど、もしかしたら一番たくさん映っているのが白井選手かも、という内容に自然となっていた。
黒鷲旗は、関選手が代表に選ばれたので白井選手がセッターのレギュラーだったけれど、優勝したのはそんな彼女へのバレーボールの神様からのご褒美だったのではないだろうか。
バレーボールをはじめとしてチームスポーツは、当たり前だけれどレギュラーだったり表に出ている選手に日が当たる。でも、その選手たちがより輝けるよう心を砕いている選手がいる、ということにももっと注目されていいと私は思う。