Arrows you know?~東レアローズ22/23ファイナル~

東レアローズ滋賀
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その後サーブから相手にアタックを決められ14-13となったものの、チャンピオンシップポイントは相変わらず。相手サーブを黒後選手が受けて、さあいよいよこの瞬間が、というとき、関選手がトスを上げたのは当然、石川選手だった。

───なぜ当然と思ったのか。
全ては、4ヶ月前に遡る。あの皇后杯決勝でメディアがこぞって注目したのは、23-23で迎えた第四セットでのトスワークだった。

簡単に言えば、このとき関選手はブロックが二枚つくレフトの石川選手ではなく、一枚のライトの深澤選手を選択した。結果論ではあるがブロックに捕まってしまい、一進一退だった流れはここでチャンピオンシップポイントのついたNECに一気に傾き、そのまま敗れた。

託せなかったセッター。託してもらえなかったエース。言い換えると
託すだけの絶対的な自信と覚悟のなかったセッター。託してもらえるだけの絶対的な信頼と実力のなかったエース。

私なりに解釈すると、そういう構図だ。

だから年明けからは、気づけばこの二人の決意というか、それぞれの課題を絶対解決してやる、という確固たる目標、そして信念を追っていた気がする。それが結果的にチームに確固たる強さを植え付けた

そんな、4ヶ月前に始まったドラマが代々木で、今この瞬間にフィナーレを迎えようとしているのだ…。そう思った。だって、相手も同じNEC。劣勢からの挽回というシチュエーションも一緒。そして運命のいたずらか、石川選手が前にいるローテーションだった。もう、石川選手一択だった。

そう。アロとももあのとき腹を括ったのだ。関選手と石川選手、二人の絆と心中する覚悟だった。今シーズンの東レを現地で見続けてきて、あのときあの場にいた人なら誰しもそう思ったはずだ。いや、アロともに限らずあの場にいた他チームのファンの人も、ここは石川選手だ、と思ったはずだ。NECからすればここで石川選手にトスを上げるということが明らかだったし、対策もしやすかっただろうが、そうであってもここは石川選手だ。

そんなことはないと言う人もいるだろうが、まああの場に立ち合わずに結果を知った後でなら何とでも言える。知らんがな。

セナ、ここはマユだ。マユ、行けえーーーー!!!

そして結末はAs you know。皆さんご存知の通りだ。