あの日見た彼女の背中にかけられなかった言葉

東レアローズ滋賀
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

2019年12月15日。ウィングアリーナ刈谷で行われたトヨタ車体対東レアローズ。この日はトヨタ車体のホームゲームということで、アリーナはトヨタ車体のファンが多く詰めかけていた。僕がいたサイドは東レのスタートコートだったけれど、トヨタ車体の選手への声援が多かった。だからこそ、「すぐそばに自分のチームのファンがいるんだ」ということで少しでも励みになればいいなと、サーブを打ちにやってくる選手たちに少しは声を出していた。もっとも、声をかけるまでもないだろうという選手も多く(例えば黒後選手)、全ての選手に声を出していたわけではなかった。

ただ、関選手がサーブで来るときはたいてい出していた。気持ちを乗せてあげたい。そう思っていたからなのだが、

でも、それ以上に、あのファイナルの日に見た背中に、ちゃんとした言葉をかけられなかったから、という思いが強かったんだと思う。だからこそ、今こそ言葉をかけて押してあげたい。

試合は3-0と完勝だった。

試合後VOMで呼ばれたのは関選手だった。ああ、僕の声も少しは報われたのかな。そう思った。

そして、そんな彼女の背中を抱きしめたのは僕の推しの選手だった。

いつか、もっと大きな舞台の試合後、同じように彼女の背中が目の前にあったら。

そのとき僕はなんて言葉をかけてあげられるんだろうな。

関選手については過去こんなことも書いています。合わせてお楽しみいただければ幸いです。