2019/20シーズン。昨シーズンの悔しさを胸に、今シーズンはとことん東レアローズを追いかけるぞ!…なんてことはなく、初めて男子を見たり初めてV2を見たり、とにかく視野を広げようとしていた。11月はほとんど東レを見なかったくらいだ。そして、視野を広げるという点で、いつもベンチ裏に近い席を取っていたのをやめて、エンド側でも見てみることにした。実は2016年11月以来、東レアローズをエンド側で見ていなかったのだ。
12/1の五所川原での姫路戦、12/7の金沢でのNEC戦、そして12/15の刈谷でのトヨタ車体戦と、二試合のうち一試合をエンドで見るようになって気づいたのは…
関選手の統率ぶり、だった。これまでも彼女がチームを鼓舞して引っ張っているという印象はあったけれど、エンド側に座ると言うことはレシーブ前に彼女が選手たちに指示している姿と向き合うことになるわけで、それがよりリアルに伝わってきたのだろう。コート上で一番大きな声を出しているのは間違いなく彼女だ。まれにハッパをかけることもある。
そして、これは昨シーズンから注目していたんだけど、後ろのポジションから猛ダッシュでセッターのポジションに駆け上がる彼女の姿は、エンドで見るとよりダイナミックだった。この位置で他のチームのセッターも見たけれど、こんなに躍動感のあるかけ上がりをしているのは彼女くらいだ。
若さ爆発。がむしゃら。
エンドで見る彼女は今までとはまた違って見えた。
そして、エンドにいれば当然選手たちがサーブを打ちに近くにやってくる。僕はどの試合も中央付近だったので、目の前にやってくる選手も多かった。普段はあまり声を出して応援しない僕も、さすがに目の前に選手が来たら、後押しをしようと声を出すことが増えた。
ただ、関選手が来たときは「よーしセナ、もう一本いけー!」とか、どこか鼓舞するような言葉をかけることが自然と多くなった。
それは、がむしゃらな彼女をさらに勢いづかせるために背中を押すような言葉をかけたくなった、からかもしれない。たぶん他の選手より、そういう言葉でより勢いづかせることができるタイプの選手ではないかと思った。そしてこれはひいき目でもないと思うんだけれど、彼女のサーブはけっこう成功率も高く、流れを引き寄せることが多い。だからこそ背中を押したい、という思いもあった。
普段あんなに声を出して選手たちを鼓舞しているのだから、こういうときくらい誰かが声を出して鼓舞してあげないと。そんな思いもあったかもしれない。