2022/23シーズン、群馬銀行グリーンウイングスの流儀

群馬グリーンウイングス
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②究極の「全員」バレー

このチームは全員バレーを掲げていて…と打った後に、あれ、もしかして…と、試しに今シーズンの全試合のスタメンを調べてみたのですが…(こんなこと、推しチームの東レでもやったことありません 笑)

なんと。同じスタメンの試合が一試合もありませんでした!(2023/2/16時点)。ここまでの16試合、16パターンのスタメンで挑んでいます。そしてさらにさらに。負傷?で今シーズン一試合も登録されていない安福選手を除く全選手が、一度はスタメン出場しています。

ありへえん!!

他のチームのファンから垂涎のまなざしで見られるかもしれません(笑)。スタメン(を固定する)バレーとは真逆の、究極の全員バレー。これ、つまり常に横一線ということだと思うんですよね。実力が拮抗しているという証かもしれませんが、これは私の考えですが、スタメンはその週の練習での状態を受けての選抜メンバーなのでは、と。

つまり、過去の実績や先週の試合の内容は関係なく、試合が終われば完全リセット。そこから翌週の試合に向けての選手間の競争が始まる…そんな感じです。選手からすればいつでもチャンスがあるのでやる気になるし、一方でどんなに結果を残してもチャラになるから、また一から頑張らないと、という危機感にもつながります。野球でいえば同じようにスタメンを固定しなかった仰木オリックスや、バレンタインの千葉ロッテに通ずるものがあります。

ちなみになんですが、スタメン出場数は1位がMBの清水選手の14、2位がMBの菊地選手、Lの栗栖選手の13、3位がOHの小林選手の9です。普通、司令塔であるセッターや得点源のOHは固定しません?

そう。このチームって「普通」という言葉が全く通用しないんですよね。

ちなみに齋藤監督はA帳票でのコメントで「全員バレー」「全員」という言葉を16試合中6試合も使っています(これも全部調べた 笑)。ここは彼女の信念なのでしょう。それが垣間見られるのがこの記事。「終盤戦に向かってそろそろメンバーを固める時期では?」という記者の質問に、どこか強い言葉で反論しているように見えます。

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固めていく必要があるんですか? ランキングを意識する必要があるんですか?

上記のバレーボールマガジンの記事より

たぶん齋藤監督は「普通はこうだと思います」みたいな、つい発してしまいがちな会話には「普通って何?」とすかさず突っ込んできそうな気がします。

そして、「普通」が大嫌い、という点では、特筆すべき選手がいます。