Vリーグでは2018/19シーズンからの改革として、ホームゲームの運営の各チームへの移管を始めています。これによりホームゲームの収益が各チームに入る効果もあり、イベント等、趣向を凝らしたホームゲームがあちこちで行われています。
一方で、本拠地となっている街、ホームタウンとは別に、サブホームタウンを設けるチームもいくつかあります。理由は様々。実際の活動拠点と言える体育館があったり、はたまた社員が多くいる大きな事業所があったり、中には特に親会社の事情はないがサブになっているケースもあります。
ホームタウンとサブホームタウンの記載はVリーグの公式にこのように出ています。
V1女子の中でサブホームタウンの記載があるのは以下のチームだけです。
久光(神戸市)
デンソー(郡山市)
NEC(大田区)
岡山(赤磐市)
JT(西宮市)
トヨタ車体(豊田市)
PFU(五所川原市)
※東レはサイト上の記載では松山市とのダブルホームになっています。
このうち、練習拠点としての体育館があることでサブホームになっていると思われるのは久光、岡山、JT。NECとトヨタ車体は今のホームタウンからそんなに離れていないですし、試合でその市・区にある体育館を使っているからサブホームにしていると思われます。
遠く離れた地にサブホームを置いているデンソーは、郡山に工場があるのが理由と思われます。サブホームにはなっていませんが、東レが松山や金沢でホームゲームを開催するのも、地元に工場があるからと言えます(東レは愛知の工場も多く、もしかしたら社員の動員力は一番多いチームかも…)。
ではPFUと五所川原は、といえば、PFUのサイトを見る限りでは五所川原、ましてや青森県に工場があるわけでもなく実は特に親会社としての関係はないんです。
なぜサブホームに?五所川原市のリリースではこのようにあります。
「五所川原市バレーボール協会と親交があるPFUブルーキャッツ」と。
ではなぜ親交があるのか。特に出身選手がいるわけでもなく、五所川原工業高校はバレーの強豪校ですが男子と、調べる限りでは伺い知れませんが(詳しい方ならわかるのかも)、いずれにしても親会社がらみのつながり、ということではなさそうです。
市のリリースを見る限り、そして実際に現地で見た身(後ほど書きます)としては、五所川原市側がPFUにオファーして実現したサブホームタウン化、と思います。なおサブホームタウンの締結には選手も訪れて、立佞武多祭を見たり、そして教室も開催しました。写真を見ると江畑選手と堀口選手ですね。
野球もサッカーも、本来はホームタウンのみ、なわけで、Vリーグも本来はホームタウンは一つで、その地域に密着した活動をすべきだと思います。ただ、現状、全国にチームは少ないわけです。そこを、チームが増えるのを待つのではなくサブホームにする、いわば一チームを分割させるというやり方もありだなと感じました。
例えば私が一時期いた北海道にはバレーボールチームがありませんでした。最近でこそ男子ではヴォレアス北海道が誕生してV2にまで上ってきましたが、女子は0。札幌に女子チームが誕生するのは遠い先と思っていましたが、デンソーが先日「ホームタウンパートナー協定」を結びました。もしかしたら来季は札幌でV1の試合が開催されるかもしれません!(少なくともここ数年は函館はあっても札幌でのVリーグの試合はないです。代表戦はありますが)
親会社としての縁もゆかりもない地域でのサブホームタウン化、というのはどのようなものだったのか。ここからは現地レポート形式でお伝えします。