最後に。
10月27日のYMITアリーナでのことだった。私はこの試合をベンチ裏で見ていたんだけど、試合に勝利し、日高選手の誕生日セレモニーも終わり、応援団への挨拶を済ませた選手たちが、サインボールの投げ込み用にベンチに戻ってきた。
このときのベンチ裏シートは、勝利を見届けて帰った人(サインボールの投げ込みに興味はないのか、はたまた気づかなかったのか)、出待ちで少しでもいいところに行きたいからと席を立った人、等々理由は様々だろうが、私の周りには誰もいなかった。
ベンチにはハロウィンにちなんだ仮装などのグッズが置かれていて、選手たちが「こんなのあるんだー」「どれにしようー」などと和気藹々と選んでいた。
私の目の前で行われていたその光景を、(結果的に)私は独り占めしていた。
私はそんな光景にカメラを向けることはなかった。これは撮るべき光景じゃない。目に焼き付けるべき光景だ。
まるで私の元に集まってきた選手たちという感じで、そのとき、ものすごくいろんな感情が交じり合った。一番近い感覚なら、自分の教え子たちが自分のところに集まってきた。そんな感じだろうか。
ものすごく、ものすごくシアワセな時間だった。
選手たちがまるで自分の仲間のように思える。自分もチームの一員のような感覚を覚える。
ファンになるということを突き詰めたらこうなる、ということなのかな。