風の谷の東レアローズ2019

東レアローズ滋賀
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

この時点で内定選手が発表になっていないと言うことは、大学生ではなく高校生だけがまた加わるかもしれない。東レはかつて三連覇という黄金期を築いていたそうだが、それがまたやってくるのではという期待すら抱かせる。まあファンだからそんな絵空事が言えるんだけれど。

そんな若手中心と言うこともあるのか、ファンの年齢も低い。ホームゲームを見るたびに思うけれど、観客の平均年齢は東レが群を抜いて低いと思う(子供がたくさん招かれている部分もあるけれどそれを差し引いても)。私が引き上げてしまって申し訳ないけれど。

なので今も楽しいけれどこれからもっと楽しくなるかも。そんな期待を抱かせ、未来を見させてくれるのがこのチームなのではと思う。もちろんそれは他のどのチームにも言えることだけれど、その度合いがファンの熱を維持させるのに必要なことだと思う。

でも、19/20シーズンは、こう言っちゃ何だけれど、木村沙織&迫田さん以後の東レ、としては一つの区切りとなるシーズンだと思う。昨シーズン取り逃したものを再び取りに行く。

そうなってほしい。

さて。そんな、私にとってだけでなくチームにとっても濃厚だった2019年の東レアローズを振り返ったときのベストゲームは、というと…

2019年4月13日のファイナル第二戦、になる。

ゴールデンセットの結果準優勝になったのでみんな負けたと思っているけれど、試合自体は3-2で勝っているのだ。リーグ戦での久光相手の連敗をやっと止めた試合だったのだ。今見たら2017年1月14日以来の勝利だ。上に行くためには絶対に越えなければならない久光の壁を乗り越えた試合だった、ということは声を大にして言いたい。

ちなみに先日長年の東レファンの方と話したときに彼もこの試合を挙げていた(負けたんじゃない。勝ったんだという点で)ので、私の考えもあながち的外れじゃないなと思った。

もっとも。「いやあ、まだVリーグ観戦歴4年だし」なんて思っていたけれど、(1年半のブランクがあるとはいえ)4年は十分長いと言うことに最近気づいた。間違いなく新規層ではなく中堅層だ。

その試合で何より印象に残ったのがこの光景だ。

これも2019年4月13日のファイナルの写真だ。試合には敗れて準優勝だったけれど、でも胸を張ろうと言わんばかりにヤナ選手が手を繋ぎ始めた。ああ、オレが見てきた東レアローズってこういうチームだったんだよな(だから好きになったんだよ)と、追いかけてきてよかったと心から思えた光景だった。

もちろん、2020年はもっといい光景を見たいと思う。

それは何も勝った、とか優勝したとかではなく、

今のこのメンバーたちが笑いにあふれている光景、だ。