⑦行きのシャトルバスがない!
今回の岡崎大会では、行きのシャトルバスの運行がありませんでした。
当初開催予定の西尾大会では用意されていましたが、今回は年始ということもあったのか、用意されたのは路線バスが運行終了になる可能性があるという理由による帰りの二便のバスのみ、でした。
会場となる岡崎市中央総合公園(以下中総)行きの路線バスは一時間に二本。しかも立地的にとても駅から徒歩では行けない距離。バスしか手段はなかったわけです。当然バスは大混雑で、積み残しも出ました。行きのシャトルバスは出すべきだったと思います。
観客のためだけではありません。地元の人たちに悪いんです。普段使いの地元の人たちが満員で乗れなかったら、「デンソーのバレーボールの試合があるからだ」ということになってしまうこともありますし。
ただ、さすがに路線バスを運行していた名鉄バスもこれじゃマズイと思ったのか、帰りは増発してくださいました。日も落ちて風が吹きすさぶ寒い中、増発は非常にありがたかったです。ありがとうございました。
⑧当日券情報が出ていない!
この日急遽思い立って中総に行くことにした人が当日券の有無を気にしていたので、ホームページや公式のSNSをチェックしたのですが、当日券の有無についての情報はありませんでした。ホームページのチケット情報に購入方法の当日券の欄で「※前売りで完売となった席種は販売いたしません」とあるだけで、実際にあるのかないのか、が全く分からない状況でした。ここはぜひ改善していただきたいなと思います(もっとも、デンソーに限らず当日券の有無を告知していないケースは多いんですけどね)。
※郡山大会は告知してました。
つらつら書いてきましたが、ここからが大事な話です。
⑨ジュニアチームのコートオフィシャルでの活用
この日の試合前には中1・2年生が対象のジュニアチーム「エアリービーズ・ジュニア」が紹介されていました。スタッフを見ると、引退された選手がコーチとして所属していて、つまり引退後もバレーボールの世界と関わり続けることができる、わけですね。
ジュニアチームはV1女子では他にも岡山やKUROBEが開設していますが(逆に言うとこのチームだけ。JTは男子がトップス広島バレーボール学校というジュニアチームを開設しています)、こういう下部組織の設立は四つの点でメリットがあると思います。
※岡山が抜けてました。ご指摘ありがとうございました(2020/1/7)。
・人材育成
今後のバレーボール界を担う人材の育成、ですね。ジュニア出身だからといってデンソーに所属する必要はないわけですから、チーム強化のために若手を育成、というわけではないのですが、他の競技との奪い合いになる中で、少しでもバレーボールの道に進む子供達を、チームが率先して増やすことはとても意義があると思います。
・地域貢献
アカデミーに居住地域の制限はないですが、は平日の夜に練習、ということは必然的に地元の人が対象になります。会場がデンソーの西尾工場内の体育館ですから、その周辺が対象となるわけです。つまり、地域貢献にもつながる活動です。これは何もチームだけの話ではなく、デンソーという親会社自体の地域貢献活動をアシストしてますね。
というより企業がスポーツチームを持つことの意義の一つがこの「地域貢献」なわけですから。
・引退後の選手の進路
バレーボール選手の寿命は短いわけです。引退後は社業に専念、という言葉がよく出てきますが、つまり一社員になるということです。
とはいえせっかくのバレーボールの能力を活かせないのはもったいない。ということで、ジュニアチームのコーチという新たな持ち場を作ったわけですね。もちろんそれだけで仕事ができるわけでもなく、おそらく他の仕事もしているのでしょうが、にしても引退後も何らかの形でバレーボールに関われるというのは選手にとっては何よりありがたいのではないでしょうか。
そしてそれが結果として
・有力選手獲得時の交渉材料になる
デンソーに入社すれば、引退後もジュニアチームなどバレーボールに関われる選択肢がたくさんあるよ、というのは、他チームと競合するような有力選手の獲得交渉で、大きなメリットになるのではないでしょうか。既に発表された内定選手の顔ぶれは結構豪華なようですが、今挙げたことと無関係ではない気がします。
もちろん他のチームでも地元なりでバレーボール教室を開催して、地域貢献、そして引退後の選手の活動機会を与えているケースも多いと思います。ただ、ジュニアチームとして組織化することが大事だと思います。バレーボール教室はボランティア的な要素もあると思いますが、ジュニアチームは会費を取っているわけですしね。
しかもアカデミーも1月に開設するそうで。こういう下部組織の充実ぶりはデンソーが群を抜いてますね。
話をホームゲームに戻しますと、実はこの日のコートオフィシャルはジュニアチームが務めていたんですね。これはめちゃくちゃ大きいです。だって、プロのプレーを間近で見ることができるわけです。あと、ジュニアチーム所属のメリットとしてもアピールできるでしょうね(アーティストの事務所でもこのようなスクールはあって、ライブ演出に参加できる、という結果的な特典があったりします)。
もちろん普段の試合ではコートオフィシャルは地元の学校が参加していて彼らの場を奪う部分もあるのですが、第二試合はいつものように地元の高校でしたから、それはそれでバランスは取れている気はします。
誤解のないよう言いますが、ジュニアチームが絶対必要、というわけではないです。地元の県のバレーボール協会が一種のジュニアなわけで、そういう関係を築くことも親会社として立派な地域貢献、人材育成になります(東レと滋賀県バレーボール協会の関係はとてもいいなと個人的に思います)。
ただ、チームが自らジュニアチームを持つというのも、一つのやり方だと思います。
とつらつら書いてきましたが…
今回、一番すごいなと思ったのはこれ、なんですね。