まず、写真についてですが、明らかに鮮やかになったと感じています。もっともこれはミラーレスだから、というよりもフルサイズになったこと、そして画素数が倍以上(2088→5010※)になったこと、が影響していると思います。
※2088はAPS-C、5010はフルサイズ。
ここは同じ会場で似たような構図で見ていただきましょう。共に上が一眼レフ(D500)、下がミラーレス(α1)です
とはいえ記事用に容量は下げていたり、ホワイトバランスが多少異なっているので一概に比較はできないかもしれませんが。
フルサイズになったという点については、私は前の機種がAPS-Cで、70-200mmでもなかなか寄れない(もっとアップで撮りたい)、ということが多かったのでマイナスでしかなく(それもあってAPS-Cでも画素数の高い機種を求めていました)、APS-Cで撮ることが多くなると思っていましたが意外とそうではなかったですね。また、APS-Cでは近すぎる場合があり(例えば試合後の場内一周)、そのときはフルサイズにして少し引く、ということができるようになりました。
要はフルサイズとAPS-Cを随時切り替えることでズームの選択肢の幅が広がった、と思ってます。これはけっこう大きかったです。
撮影についてですが、肉眼で見られないことはデメリットではないなと思いました。ライブビューファインダーでもそんなに違和感は覚えていません(学生時代にビデオカメラを多用していたからかも)。また、結果的に色の具合とか、ピントがあって撮れたかどうかが撮りながらわかるのが何より大きいなと思いました。今までは撮った後に「今のちゃんとピントが合っていたかな」というのを確認する必要がありましたが、ライブビューで見ているとピントが合った写真になっているかどうか、は撮ったときにだいたいわかりますからね。
ファインダーがどんな感じになるか、というのはこちらを見ていただくとわかりやすいと思います。
つまり、仕上がり具合がその場でわかるんですよね、ミラーレスは。これは何より大きいと思いました。なので、撮った後にパソコンに転送して全写真をチェックするときのスピードが上がりました。ほんの一瞬ではあるけれど、一度は目にした写真として潜在的に刷り込まれているからかもしれません。
まああとこれはミラーレスは関係ないと思いますが、AFなど機能面がかなり向上しました。私の場合レンズも最新式だからだと思います。ただこのフォーカスはいろいろと設定が大変というか、シーンによって切り替える必要があったりするので、その機能を今は一生懸命学んでいるという感じです。
つまり試合中に頭を使うことは増えましたね。このシーンはAPS-Cにしてアップにしよう、とか、ピントをスポットからワイドに切り替えよう、トラッキングOFF機能を使おうとか…。
当たり前ですが、最新機種は機能も最新鋭です。それをいかに使いこなすか。使いこなせないと宝の持ち腐れになってしまいますので。なのでいわば機種に自分を追いつかせようとしている感じです。当然自分自身のスキルも上がるでしょうし、その点は機能の多いフラッグシップ機の良さだと思います(D500にもいろんな機能があったでしょうが、使いこなしていなかったという反省もあります)。
ミラーレスによる軽量化、は思いっきり恩恵を受けています。本体も130gほど軽くなりましたし、何よりレンズが軽いので、トータルだと550g近く軽くなりました。サイズも小ぶりなので、レンズと合わせても30cm以下。トヨタ車体がホームゲームで定めているカメラの持ち込み規定(30cm以上不可)にも対応できます。
※この30cm以下というのは最近いろんなところで見かける規定で、一つの基準になっているようですね。
ただ、誤算もいくつかあります。まず、SDカードはやはり連写に耐えられないことが多々あります。UHS-IIは128GBでも5000円近くしますし、書き込み速度もカードによって違うので、ここはもっとちゃんと把握してから買うべきだったなと思いました(とりあえずUHS-IIならなんでもいいか、と安いものを買っていたので)。そしてUHS-IIを揃える必要があったのでここは想定外の出費になりました。まあ30コマ/秒でRAWのLサイズで撮っているのだから当然ですが…(1セットで128GB1枚使います)
連写していて書き込みが追い付かずに撮り逃していた、というケースもよくあります。だったらCFexpressカードにすればいいのですが、そこがソニーのつらいところで、TypeAは160GBで4万円近くするので、私のように一試合で0.5TB撮る人は破産します(フルセットの場合です 笑)。
また一番誤算だったのは、ソニーのRAWのファイル形式がWindowsだとプレビュー表示してくれないこと。ビューワーソフトを使わないと見られないわけでこれは大誤算だったのと、ソニーの付属ソフトの使い勝手がめちゃくちゃ悪く(大量の写真を次々とチェックするのには不向き)、結局「Photo ExpressViewer」というソフトを別途買いました。このあたりはニコンはよかったなと。ソニーはカメラメーカーではない、ということかなと(勝手に)思いましたけどね。
あと、私はカメラとレンズを同時に替えたので大丈夫でしたが、知り合いで、ミラーレスにしてレンズは一眼レフ時代に使っていたものをアダプターを用いてそのままにしていた方が、ピントが上手く合わずに結局レンズも買い直したケースもありました。一眼レフのレンズを資産としてそのまま使う場合はそういうことが起きる可能性がある、ということは知っておいた方がいいです。
まあ、一眼レフのレンズをミラーレスに使うということはどうしてもミラーレスに最適化されてはいないわけで、本当なら機材は一新した方がよいのかもしれませんね。
長々書いてきましたが最後に。
今回いろいろ調べた中で何より役に立ったのが、SNSに上がっている作例や感想(ボヤキとか)、そしてYouTubeに上がっているレビューです。特にYouTubeは「それが知りたかった」という細かいレビュー(連写やAF性能)が動画で紹介されていて、とても参考になりました。
また、何よりSNSでの知り合いの方々の感想も大きかったです。個別にヒアリングさせてもらいましたし、ときには「これはもうα1一択じゃないですか」と背中を押していただいたこともありました。そんな皆さんに感謝すると共に、せめてもの御礼として書いた私のこの一連の過程が、これからミラーレスを手にする方の参考になれば幸いです。