バレオタ的ミラーレスへの道~機種選定編~

カメラ
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ミラーレスは利用者のメーカー間移動が起こる

私の場合幸いだったのが、一眼レフの資産を受け継ぐ必要が全くなかったこと、です。要はレンズです。一眼レフでバレーボールを撮っていれば当然それなりのレンズを使います。となると、ミラーレスになってもせっかく買ったその高いレンズを使い続けたいと思うのは当然(ただし変換アダプターが必要です)。となると、メーカーは自動的にそのままになります。ですが、私はレンズは借りものだったので資産を受け継ぐ必要はなかったわけです。つまり、メーカーを自由に選べた

当初はニコンの愛着があってニコンで考えてましたが(なんとなくキヤノンにはしたくないという意地はありましたね 笑)、ラインナップが揃わないのでしかたなくソニーに切り替えることになりました。

私の場合は特殊でしたが、このようにミラーレスはシェアを一変させる可能性があるんですよね。一眼レフユーザが、ミラーレスになったのを機に機材を一新するとなると、メーカーにこだわらなくていいんですよ。ソニーはまさにその追い風に乗っていて、一方のニコンはユーザが流出しているというのが今の現状かと思います。知り合いでもキヤノンからソニーに切り替えた方もいましたし。

さて、レンズは先に発注したものの肝心の本体をどうするか、は様子見でした。前にも書いたようにα9iiの後継機を待つことにしていたからです。α9iiは前述した条件に当てはまっていましたが(ローリングシャッター歪みは多少あるようです)、2019年に出てから3年が経過していたことが気になっていました。単に少しでも新しいものを使いたいから、というそれだけの理由です。

ただ、このときからチラチラ気になっている機種がありました。それが、ソニーのα1です。α1は、私が求めるものが全て搭載されていました。

α その手に、無限の創造力を。 | α Universe | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
1枚の写真、1つのシーンのためにすべての情熱を注ぎ、新しい映像表現にチャレンジし続けるプロフェッショナルたち。カメラ・レンズ・アクセサリー、さらには音響や録音・通信制・空撮映像までも、プロを支えるラインアップは広がっています。これからも、プロフェッショナルの表現への情熱によって私たちの「αシステム」は、進化し続けます。

私は連写ありきと書きましたが、連写機では優先度の下がる高画質さも同時に求めていました。せっかくのプレー、もっと言えば選手の輝く一瞬を切り取るわけですから、より細かく、そしてより高画質に、と思うのは当然のこと。これを両立させているのがα1だったわけです。当然です。だって、フラッグシップ機なんですから。いわば高画質機のα7シリーズと連写機のα9シリーズを一台にしたような、そんな機種だったわけです。

ソニー α1 レビュー|スポーツ撮影現場で使ってみました!(坂井田富三) | ShaSha
写真家の坂井田富三さんがソニー α1のレビューを行っています。動きの多いスポーツ写真の撮影で検証していますので是非ご覧ください。

また、個人的に大きかったのが、6月にアップデートでAPS-Cになってもフルサイズと同じ画素数になったこと(Lサイズ除く)。普通、画素数は下がるんですよ。なのにそれがない。そういう改良もフラッグシップ機ならではだな…と。

もちろんその分値段もめちゃくちゃ高いわけで…当然ですがそこに悩みました。そんな中飛び込んできたのが、値上げのニュース。9月から5.5万円も値上げするというので、これはもう今だなと思い、8月に買いました。ちなみに今は当時の価格に戻っているので、値上げと言っても時間が経てば元に戻ってくるようです(苦笑)。ちなみにレンズはまだだったので、しばらくは本体だけで何も撮りようがない日々が続きました。レンズはその後納期が前倒しになって9月に届きました。

機種選定にあたってはネットにあふれている口コミや作例、レビューサイトを参考にしましたし、知り合いにも相談しました。まだミラーレスにした人が少ない状態ではありましたけど、でも彼らはカメラとは、というものを知っているので、機種選定に関する知識が豊富なんです。フラッグシップ機なら資産価値もそう下がらない(売却するときも高値で売れる)というアドバイスもいただきましたしね。

私自身思ったのは、「迷う理由が値段なら買え、買う理由が金額ならやめとけ」という言葉に尽きるなと。迷う理由が値段ということは、それだけその対象物に価値を見出しているということなんですよね。そして価値の対価が価格なわけですから。要は機能がよければそれなりの価格になる、ということです。

「なんだよ結局、金かよ」と思う方もいらっしゃるとは思いますが、私自身これまでカメラにかけた価格ってD500本体の15万だけだったので(レンズは古いものを無償で借りてましたから)、比較的低コストでやっていたんですよね。なのでその反動です。高い買い物はしたけれど、それなりに自分を説得して納得させて買いました。私は一人暮らしだから気にしなくていい部分はありますけれど、とはいえ自分自身を納得させることは大事だと思います。

これからカメラデビューをしようとしている方、特に学生さんなどは親に支援してもらう必要もあるかと思います。そういうときに「高いのになぜこの機種なのか」というのを明確化して説明できるようになっていれば、親からの支援も得やすいのではと思います。

では、ミラーレスに切り替わってどうなったか、という変化について写真と、環境面についてお話しします。