それは何より、ファンの人たちが選手たちと思いを共にしていたからだと私は思う。
勝ち負けより大事な、日々を生きる力というものを、このチームは与えてくれたと思う。
きっとファンの人たちは、試合のある土日だけでなく、平日も、東レアローズと共に生きていたと思う。
日々における生活の糧を、このチームは与えてくれた。
それは何より、東レアローズという「心」によるものだと思う。
日曜日のデンソー戦。私はその場にいることができなかった。急遽入れられた仕事の都合だった。元々この日は空けていたしチケットも早々と手に入れていたのだが、残念ながらそれは反故にされた。しかたない。他の人だって、行きたくても行けなかった人はたくさんいる。私は一人船橋の方向の空を見ながら、大丈夫、彼女たちならきっとやってくれる、と思っていた。
こういう結果になって、私はその場にいられなかったことをとても悔やんだ。悔しさこそ彼女たちと共有すべきだった。その場にいなかったことはとても悔しかったし、だからこそ…自分のこれからの…
シーズンが終了したことを受けて、今季の御礼を何人かに送った。やがてある人から返信をもらった。私が東レファンになったことで出会った人だ。その人は私の撮る写真を早くから褒めてくれて、私に自信と、何より力を与えてくれた人だった。その人が私の作風を評価してくれなかったら、今の私はなかったと言ってもいい人だ。恩人だ。
その人の言葉が、何より、東レというチームを応援することの意味、というのを教えてくれると思う。
その人はまず、仕事で行けなかった私に対して、お仕事お疲れさまでしたと言ってくれた。
その後の会話は書かないけれど、最後にこう締めくくられていた。
「東レファンで幸せですね!」
風の谷の東レアローズ19/20シーズン
完