ファイナル8進出が決まり、Aグループに入った時、最初のNEC戦がキーになると思っていた。こういう短期決戦ってたいてい「初戦が大事」というけれどそういうものではなく、年明けの岡崎で見たNECが、古谷選手の活躍もありチームが変わり(けが人が続出した影響もあるが)、上り調子だと思っていたからだ。なので元々負ける予想にしていた。
ところが(ところがというのも変な話だが…)、フルセットの末勝ってしまった。ああ、NECに勝てれば後は大丈夫だろう。そう思った。
「あれ?おかしいな」と思ったのは、土曜日の船橋の埼玉上尾戦の第四セットだった。第一セットこそいきなり失って肝を冷やしたけれど、第二・第三を連取して、その勢いで第四も…というのは、昨季を含めて何度も見てきた光景だった。
ところが。アタッカーのスパイクは吸い寄せられるように埼玉上尾のブロック陣に吸い込まれていった。打つ手がことごとく相手の術中にはまった。主審の手が次々と逆のコートに上がるようになっていった。
それでもそんな劣勢でのTOでも選手たちは笑顔も浮かべていて、ああ、笑顔を失ってなければ大丈夫だろうと思っていた。ミスにはなったけれど黒後選手のフェイント?なんかも見られて、こういう余裕をあるなら大丈夫だと思っていた。
ところが、その後の東レは私が見ていた東レ、には残念なことにならなかった。
フルセットの末敗戦。勝てばセミファイナル進出だったのにそれどころか翌日のデンソー戦が大一番になってしまった。相手は四セットでしかも第一試合。一方東レは第二試合のフルセット。翌日は第一試合とリカバリーの時間も少ない。
でもこういう劣勢だったり、尻に火が付いた状態で勝ちあがるのが東レだ、と私は思っていた。全ては明日だ。
日曜日のデンソー戦は、もう皆さんご存知なので書かない。というより書けない(理由は後述)。
セミファイナルに進むものだと思っていた、つまり来週まであると思っていた東レの今シーズンは、終わった。
終わってしまった。
まだあると思っていた。
進むものだと思っていた。
チームがそういう考えだったかどうかは別として、私自身が何よりそうだった。それは、東レのチーム状態を冷静に見られていなかったのではないかという反省はあった。いや、ファンはあくまで応援するもので「セミファイナル行けないかも」なんて言う必要はない。私自身も楽観論は述べていなかったけれど、でも、出るものだと思っていた。ファイナルは東レ対JTだと思っていた。
勝手な予想は、あっという間に崩れていった。
もっとも、これが「負ける」ということなのだ。同じ思いをセミファイナルに進めなかった他の3チームもしているのだ。
昨季も負けて終わったけれど、準優勝という結果が残った。
今季は何も残らなかった。何も?いや、そんなことはない。