風の谷の東レアローズ19/20ファイナル

東レアローズ滋賀
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終わりは突然だった。けれども必然だったとも言えたのかもしれない。

昨シーズン準優勝の悔しさを胸に、今季こそは、というのが今季(19/20シーズン)の一般的な東レアローズに対する見方だったと思うし、私もそうだった。だから、セミファイナルに進むのは当然だ、といつの間にか思っていた。

当然だ、と、いつの間にか。

そりゃ、ファンなのだから、悲観的な見方をすることなんかないのだけれど、私は冷静に、現実的な見方もする。ワールドカップでの石川選手の活躍もあり、開幕前の東レの下馬評は高かったけれど、言うても所詮西地区4位のチームだ。岡山との争いでギリギリでつかんだファイナル8進出だった。

ただ、それを踏まえた上でも「今年は行ける」と思えるだけのチームだった。

なぜ、そう思ったのだろう?

元々チームとしての底力はあった。退団選手が三名と少なかったのもある。しかも正直、いずれも主力ではないメンバーだった。戦力ダウンは避けられ、昨季のベースに石川選手という新たなピースが加わった。

そして何より、今季も続ける、という強い意志を持った選手たちがいた。昨季の悔しさがあったから、だ。

ファインダー越しに見える世界も昨季と変わらなかった。いや、これは毎年変わっていないのかもしれないが、昨季より悪くなっているなんてことは全くなかった。

絶対的な強さを見せつけたわけではない。JTに差をつけられ2位になったのが現実だ。12月で見た黒部でのJT戦もまさにそうで、フルセットにもつれ込んであと一歩というところで勝利を逃した(ちなみに今季JTとは全てフルセットで1勝2敗だ)。

でも、昨季を上回る強さはあった。劣勢の時のジョーカーが、井上選手と入れ替わりで入る小川選手くらい、という不安もあったけれど、ジョーカーが必要とされる試合がそれほどなかったのも実情だった(負けるときはジョーカーも使わずコロッと負けたけれど)。

黒後選手がライト後方からバックアタックを打ったり、今いる選手の中で攻撃のオプションを増やしていて、個々の力を伸ばすことで、チームとしての総合力を高めていた。思えば常勝チームってメンバーは固定しているものだ。昨季優勝した久光に、ジョーカーなんていなかったと思う。

東レはそういうチームになっていると思った。