出遅れたニコン
フラッグシップ機→Z9 高画質機→Z7(4689万画素) 連写機→なし
プラスポイント
・メカシャッターを廃止するなど技術の高さを見せつけたフラッグシップ機
マイナスポイント
・完全に出遅れ。ラインナップが少ない ・フラッグシップモデルのセンサーはソニー製
ニコンは完全にミラーレスで出遅れています。ラインナップも少ないですし、それもあって私は今回ニコンからソニーに切り替えました。そんなニコンがとってきた戦略は、普及モデルを増やしてシェアを取るのではなく、いきなりフラッグシップ機を出す、という大胆なものでした。まさにキヤノンの逆ですね。
しかしこのフラッグシップ機であるZ9は、まさに「老舗のニコンが本気出してミラーレスを作ったらこうなる」というのを体現しているモデルです。なにせ120コマ/秒の連写機能だったり、そして何よりメカシャッターを搭載していないという大胆さ。上述した通り電子シャッターはまだメカシャッターに劣る部分がいくつかあるのですが、これは「ウチの技術で作った電子シャッターなら大丈夫」という自信の表れでしょう。これこそニコンだな、と個人的に思います。
あとはこのZ9はSDカードに対応していないのもすごいなと。さっき、40コマ/秒なのにSDカードだけにしたキヤノン、について書きましたが、ニコンはまさに「Z9で連写をするのならSDカードでは無理です」というのをはっきり示しているわけで。なにせ最高で120コマですからね。
だからだいぶ使う人を切り捨てているわけですが(笑)、でもあらゆるニーズに対応するのではなく「こういう人に使ってほしい」と限定するのも大事なことだなと。ミラーレス界のレクサスみたいなものかも。ニコンのこの心意気は好きですね。
今後ニコンが出してくる機種は、このZ9の思想がベースになると思います。基本的にフラッグシップの機能を一部だけ受け継ぐ分、価格を下げるというのが普及機タイプですので。ただ、とにかくニコンはラインナップが少なくて。特にスポーツ分野(連写モデル)ではこれ、という普及機がないんですよね。
また、Z9のセンサーはソニー製。ということは、ソニーから供給を受けるということで、技術的にはソニーが先に使ったものを後から出すという形になるでしょうし、納期もソニーが優先されるでしょうから、この点も不利だなと思います。
ただ、出遅れた分これからどんな機種を出してくるか、というのは楽しみでもあります。特にZ7とZ9の間にあるZ8は、どう考えても発売するでしょうから(たびたび噂にはなります)、どんなモデルになるかは注目です。ただどうやら高画質機であって連写機ではなさそうですが。
ということで私なりに各社の特徴をまとめました。初めてカメラを買うという方には、ラインナップのバリエーションからソニーかキヤノンを勧めています。元々のニコンユーザからすれば歯がゆいですが…。ただ、今回各社の戦略を見ていて思ったのは、どこも連写機より高画質機を重視している印象です。ローリングシャッター歪みだったり、連写機=高速で動き回るものを撮るのは高画質機より求められる技術が高いのかもしれませんし、単なるニーズの差なのかもしれません。
ただ、ミラーレスは動画機能も充実しているので、8Kなど高画質の動画を撮りたい、というニーズが高くて自動的に高画質機にシフトしているのかもしれません。もはやビデオカメラはなくなっていますが、それをミラーレスカメラが担っている、と考えればわかりやすいのではと思います。
今後、連写を求める人は連写機能が高いフラッグシップ機をどうぞ、という流れになるのでは…という危惧はあります。キヤノンは明らかに違いますが、ラインナップの傾向を見る限りソニーとニコンはそうなるのかも…。
続いては機種選定編と題して、タイプ別に私なりのおすすめの機種をご紹介します。