バレオタ的ミラーレスへの道~入門編~

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店頭で触るときに気を付ける点

ミラーレスがどんなものか、は一度店頭で触ってみることをオススメしますが、そのときに一番気を付けていただきたいのが、シャッターの設定がメカシャッターと電子シャッター、どちらになっているかです。メカシャッターは電子シャッターより連写回数が少なくなるのですが、その分、機種によってはブラックアウトがより起きやすくなるからです。

例えば1秒を30コマで撮る場合と10コマで撮る場合、10コマの方が間隔が空きますよね。その間隔がブラックアウト、といえばわかりやすいかと思います。

私は初めてミラーレスを触ったときにその違いに気づかず、あまりにブラックアウトが起きるので、これはミラーレスは論外だなと思ったんですよね。でも、電子シャッターにして連写してみたら同じ機種でもそこまで気にならなくなった、ということがありましたので。

電子シャッター最大のデメリット「ローリングシャッター歪み」

連写もたくさんできる、シャッターユニットの交換の必要もない、じゃあ電子シャッターの方がいいじゃん、と思うかもしれませんが、電子シャッターの最大のデメリットが「ローリングシャッター歪み」です。これは写真で見てもらった方が早いですね。

どれも扇風機の羽根をきちんと捉えられていないですよね。これがローリングシャッター歪みです。他にもゴルフのスイングでゴルフのクラブが曲がって(しなって)いたり、電車や車など高速で走っているものが傾いてしまいます。

高速で走る新幹線から車窓を撮るときに、電柱が斜めになって映る、といえば皆さん少しは心当たりもあるのではないでしょうか。ちなみにこれは私がスマホで撮ったものです。

なんでこういうことが起きるかというと、わかりやすく言えば電子シャッターは上から順に現像していく、といったところでしょうか。なので下に着くときまでのタイムラグがあり、高速で動いている場合はそれがずれてしまう、ということです。

バレーボールもプレー中は選手が高速で動いているので、起きる可能性はあります。

それ以外にもフリッカーが起きてしまうことも。下記のサイトに出ている写真がまさにそうです。私の機種はフリッカーレス機能があるのですが、それでもこのような現象は出ます。そのときは電子シャッターではなくメカシャッターにすれば回避できます。

「メカシャッター」と「電子シャッター」の話
狙いをさだめ、タイミングを見計らってシャッターボタンを押す。すると撮影される。当たり前の話だけど、そのときカメラ内で何が起きているのか、はその構造によって違うのだ。

こういうのもあって、まだ各メーカーは電子シャッターだけでなくメカシャッターも搭載しているわけです。ニコンのZ9は思い切って外しましたが、それはつまり自社の技術を持ってこのデメリットを全て排除している自信があるということだと思います(フラッグシップ機なのでプロも使うわけですからね)。

と、つらつら書いてきましたが、メカシャッターと電子シャッターの違いはこちらにまとめられているので、ご参考に。

改めて、ですが、ミラーレスは一眼レフを全て凌駕しているわけではありません。ただ、だいぶ一眼レフユーザーが乗り換えやすくなるよう、機能の改良がここまで進んできた、ということは間違いありません。東京五輪の報道カメラマンにもソニーのミラーレスの利用者が増えてきたそうですし。プロが使うということはちゃんと使える機能が揃っている証ですからね。

さて、ここまではミラーレスの機能についてご説明しました。ここからは、カメラ選びの際のポイントをいくつかお話しします。