バレオタ的ミラーレスへの道~入門編~

カメラ
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カメラに興味はあってもそれほど詳しくない、という方も、ミラーレスという言葉は聞いたことがあるのではと思います。また、一眼レフをお使いの方ならいずれはミラーレスに切り替えなきゃ…とうすうす感じている方も多いのでは。

これからカメラを買うという方、そして一眼レフから買い替えるという方も間違いなくミラーレスは選択肢に入ってきます。ここでは、実際にミラーレスを検討し、そして切り替えた私の経験を元に、ミラーレスについてご説明します。
※2022/12/14時点での情報です。一部最新情報を反映する可能性があります。
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ミラーレスは今、過渡期

まず、お伝えしたいのがこれです。ミラーレスは後発であり、なかなか市場が成熟していなかったのですが、ここに来て機種も揃ってきました。そして何より、カメラメーカーは最近一眼レフの新機種を出していないんですよね。キヤノン(EOS-1D X Mark III)もニコン(D780)も2020年1月が最後です。

少し前にニコンが一眼レフの開発から撤退という記事が出てニコンは否定していましたが、出たときは「やっぱりな…」という声が多かったと思います。おそらくですが、一眼レフの新機種はもう出ないのではないでしょうか。それもあって、一眼レフの中古価格が上がっているんですよね。一眼レフがいい、という人もまだまだいますので。

では、ミラーレスと一眼レフって何か違うのか。構造的なことはこちらをご覧いただければと思いますが、

簡単に言えば、一眼レフはミラーを通して撮影するところ、ミラーレスはその名の通りミラーをすっ飛ばして撮影する、ということです。私の中での一番の大きな違いは、「肉眼で見て撮る」かどうか。一眼レフは肉眼で見ながら、そしてミラーレスはスマホのようにビュー(画面)を見ながら撮る。これが一番の違いです。

ミラーレスのメリットとデメリット

私なりの考えです。

■ミラーレスのメリット

・軽い&小さい
・シャッター音を消せる(電子シャッターの場合)
・連写性能が高い
・シャッターユニットの交換が不要
・写真の仕上がりを確認しながら撮れる
・バッテリーがもつ(私の場合)
・これからの主流

まず、ミラーレスは一眼レフの構造が一部ないため、基本的に軽くて小さいです。また、シャッター音も消せます(出すように設定することもできます)。

これらの性能を一番わかりやすく言うと、ミラーレスでの撮影は、ビデオカメラを回しているのと同じ、ということです。写真は動画をキャプチャしたもの、それがミラーレスです。だからシャッターという概念もないです。また、連写性能も一眼レフより高いです。

個人的に大きいのが、シャッターユニットの交換が不要ということ(電子シャッターを使う場合。メカシャッターの場合は必要です)。機種によりますが20万回が耐用回数で、それ以上撮るとユニットが壊れる可能性があります(48万回でも壊れなかった人がここにいますが…)。これ、交換は一回につき5万くらいかかるので、結構な負担です。また、古い機種を使い続けていると交換する部品がない、ということも出てきます(D500はそろそろ危ないです)。

なお、ミラーレスも一眼レフのようなメカシャッターを基本的に搭載していて、シャッターユニットもあります(ニコンのZ9のようになくした機種もあります)。ただ、電子シャッターを使えば耐用回数は関係なくなります。このメカシャッターと電子シャッター、は大事なことなので後にご説明します。

なお、バッテリーですが、ミラーレスは肉眼ではなく画面を見っぱなしなので消費が早いと思っていたのですが、電子シャッターしか使わずシャッターユニットを使わないのもあるのか、私の場合は逆に一眼よりもつことがわかりました。3ー0の試合なら1試合1個でも足りそうなくらいです。

■ミラーレスのデメリット

・肉眼で見られない、かつ連写時にブラックアウトがある(ない機種もあります)
・電子シャッターではローリングシャッター歪みが発生する
・現状、在庫が不安定

ミラーレスの最大の欠点が、連写時のブラックアウトです。連写をしているとところどころコマ落ちするといいますか、パラパラ漫画をイメージしていただければわかりやすいかもしれません。

一眼レフのときは肉眼で見ているので起きませんが、いわばミラーレスは写真が記録される様子をそのまま見ていると言いますか、いわば製造工程を見ている、といえばわかりやすいでしょうか。なので、連写でシャッターが下りるたびにいったん暗くなる、ということです。まばたきをゆっくりする、といえばイメージしやすいかな。

連写時に時々真っ暗になるのですから、けっこう致命的ですよね。好きな選手のアタックのシーンを連写しようとしたら、時々真っ暗になって見られないわけですから。一眼レフのように肉眼で見るのではないので、こうなってしまいます。

ただ、機種によってはブラックアウトフリーという、これを解消しているものもあります。今は高額の機種に限られていますが、いずれ徐々に普及してくるのでは…と思っています。

ローリングシャッター歪みはこの後説明します。また納期についてですが、半導体不足の影響もあって遅延していることが多いです。買おうと思ったときに必ずすぐ手に入るわけではない、ということだけ頭に入れていただければと思います。