ブレイクするー?眞鍋ジャパン【世界選手権壮行試合編】

日本代表
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

最後に、大事な話です。

代表人気をどうリーグ戦につなげるか

これは何もバレーボールに限らずサッカーなんかでも課題だったりします。

今回の壮行試合はとにかくチームの雰囲気がよかったですね。選手入場もちょっと遊び心がありましたし(前監督だったらこんなこと許されていたかな…)、試合中も笑顔が絶えない印象でした。この雰囲気の代表が好き、というファンは多いと思いました。

基本的に選手のファンはそのチームについていくのでしょうが、代表人気は代表というチームに所属しているその選手のファン、という傾向も強い気がします。例えば古賀紗理那選手と笑顔で会話している石川真佑選手が好き、というケースもあるのでは。なのである代表選手のファンがそのままチームの試合を見に行く、とも言い切れないのかなと。そんな簡単に済むのなら今まででもできていたわけですし。そこは難しいなと思いました。

ただ、一つ可能性があるとすれば「発見」なんですよね。こんなにカッコいい選手が別のチームにいるんだ、対戦しているときはわからなかったけれど、この選手こんなに笑うんだ、とか。そういう発見の機会を壮行試合で見せられたらよいのでは、と。その点ではチームをシャッフルしたのはよかったのかな。自分の近くに来る選手が入れ替わるわけですから、「見つけやすく」はなりますよね。

ただ今回岡山と姫路という、Vリーグのチームがある街で開催しているわけですから、そのチーム選手たちを少しでも観客の目に触れさせる機会は作れなかったのかなとは思います。代表との対戦でもいいですし、あくまで壮行試合は普段の合宿の延長線だったり、感染防止のため極力外部との接触は少なくしたいという事情であれば、試合の前後にそのチームでのエキシビションマッチを行うとか…。それも「発見」じゃないですか。

代表とVリーグは主管が異なりますが、それくらいは融通を利かせるべきだと思います。

いずれにしても、代表人気を改めて感じましたし、かつ、選手・スタッフもそれに応えていたという印象です。みんながハッピーになった壮行試合という空間でした。何より試合後もしばらく余韻に浸っているフォロワーさんが多くて。それが何よりの開催意義だったと思います。

ただあくまで壮行試合。今回を通してファンが選手の皆さんを、世界バレーに力強く送り出せれば何よりです。