■S2ライセンスというポテンシャル
Vリーグはライセンス制度が導入されている(このライセンス規程が開示されていないのが問題なのだが…)。そしてV1に参加できるのはS1ライセンスを保有しているチームだけだ。
ちなみに今季のV2でS1を保有しているのはJAぎふ、群馬銀行、アランマーレ、柏、浜松、ルートインだ。そしてGSSは大野石油とあわせてS2ライセンスとなっている。つまりGSSはV1には昇格できないのだ。
このライセンス規程が開示されていないし、ライセンス交付における交付審査の内容も公表されていないので、なぜGSSにS1が交付されないのか、がはっきりとわからない。個人的には、今の状況でV1を戦うのは難しいので(会場確保や興行収入等、収支を成立しづらい)申請すらしていなかったのかと思ったらどうもそうではないようだ。
ただ、個人的にはこういうチームがS1ではなくS2ライセンスを持っていること、自体がポテンシャルだと思う。つまり、諸問題を解決すればS1ライセンスを有することができるのだ。
個人的な感想だが、GSSがV1で戦い続けられるためには、ファンだったり企業の応援団だったり、関わる人たちをとにかく増やすこと、だと思う。これがNECや東レ、JTなどの大企業なら、団席を始め社員の動員が見込めるだろう。彼らは無料入場かもしれないけれど、でも会場を埋めるためには必要な人たちだ。
グリーン・サポート・システムズの社員数は記載されていないのでわからないが、それほど多くはないだろう。選手の派遣先の企業の社員の人たちが来てくれたら…とも思うが、中央区立総合スポーツセンターという日本橋にある屈指のアクセスの良さを誇る東京大会(450人だ)を考えると厳しいだろう。
そもそもGSS東京といいながら東京でのホームゲームはこの11/16の一試合だけ。後は軽井沢での開催で、しかも人数は11/23のルートイン戦は、ルートインのお膝元の上田市に近かったこともあって510人と東京より多い。ちなみにこれが中央区立総合スポーツセンターだが、施設案内によると客席は674とかなり少ない。
母体が小さく社員や取引先の動員が厳しい。となると親会社を持たない岡山や姫路のように地元のアイデンティティに訴えて地元の動員を…といきたいところだが、東京ほど地元のアイデンティティが成立しない場所も珍しいしそもそも地元愛がない。調布市とか八王子とか郊外に行けば存在するだろうが中心部は難しい。そもそも中心部は人口は多くてもそれは就業人口であって、住人は少ない。
と、ポテンシャルといいながらネガティブというか、デメリットもたくさん述べてきたけれど、デメリットがあるからこそポテンシャル、なのだ。つまり課題が解決されれば一気に飛躍できる可能性を秘めているからポテンシャル、なのである。
ただ。これらの課題を親会社だけの問題、としていいのだろうか。バレーボールの普及のために東京という地域をもっと重視する必要があるのでは?それを手っ取り早く解決できるポテンシャルを持つチームが既にあるでは?
それは、Vリーグ機構として考えなければならない問題なのでは?
そして、最後にもう一つ、何より大きなポテンシャルがある。