GSS東京サンビームズ、それはVの持つポテンシャル

東京サンビームズ
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

個人的に、東京に戻って来て迎えた昨季のVリーグは、東レアローズにのめり込んで追いかけていたので、V2は遠い存在だった。そんな私にとってのV2との初めての出会いは、実は4月に行われたオールスターだった。

当然V1の選手たちが目当てだったわけだけれど、V2と同時開催だったのは個人的にありがたかった。とはいえ、当時はヴィクトリーナ姫路しか知らなかったから、かなりフラットな状態でV2に接した。

試合後行ったVリーグ女子会で、私よりVリーグをたくさん見ている、いわば先輩たちにV2の話をした。初めて見たV2はどんなものだったか、先輩たちも興味があるようだった。私は気になった選手は二人いて、と言って切り出した。

最初にある選手の名前…というよりはユニフォームの色と背番号を言うと、先輩たちは頭を抱えて、その選手は今日が最後の試合だったんだと言った。オールスターが最後の試合になる、ということにV2の現実を知った(V1なら基本的に黒鷲旗になるから)。

そしてもう一人の選手の名前を出すと、ああ、派遣会社のチームの選手ですね、と言われた。

派遣会社のチーム?

それが私にとってGSS東京サンビームズとの出会いだった。

昨季は東レアローズばかりにのめり込みすぎたので(それも悪いことではないのだが)今季はとにかく視野を広げよう、男子も見よう、V2も見てみよう、ということでV2のスケジュールが発表になってGSS東京の東京大会は真っ先にチェックして予定を空けた。ということで11月16日に行われたGSS東京のホームゲーム東京大会を見に行った。

これからの話は、そこで感じたことと、V2の今シーズンが終わって改めて感じたこと、だ。

そしてこのチームには、ポテンシャルがあるという話だ。

■東京がホームというポテンシャル

ある競技がファンを増やし、競技人口を増やしてメジャーになるためには、人口の多い大都市圏に本拠地を置くことは手っ取り早い手段だ。では日本で一番人口の多い街は、となると当然東京になる。

ここに本拠地を置くVの女子チームはここだけだ(大田でホームゲームをするNECレッドロケッツは川崎だ。ちなみにV1男子だとFC東京がある)。まず、ここに大きな可能性があるわけだ。

極端に言えば、完成した有明アリーナを本拠地とするチームが出てきてもいいわけだ。というより、そうなるとやっとバレーボールもよりメジャースポーツの仲間入り、だと思う。ちなみにJリーグも当初は東京が本拠地のチームがなかったけれど「サッカーをより日本に根付かせるためには首都にクラブを」という動きもあり、当時JFLだった、東京に本拠地を置く東京ガスがFC東京となってJに登っていったケースがある。

とはいえ、東京に本拠地を置くからこそ難しい問題もある。一つは会場費。ホームゲームでの会場利用料だけでなく試合後の練習などの利用料も東京価格になってしまうだろう。もう一つは選手年俸。例えば同じ手取り10万としても、例えば岡山とか姫路なら家賃はグッと下がって生活費に回せる金額も増えるが、東京だとそうはいかない。

つまり東京に本拠地を置くと言うことは他のチームに比べコストがかかるということなのだ。

ちなみにGSSサンビームズをGSS東京サンビームズに切り替えたのは16/17シーズンから。東京をブランドとして活用しようという現れなのかもしれない。