世界ランキングに直結するようになったネーションズリーグ。私は日本には良い改定だったと思います。今までのような大陸間最終予選方式もいいのですが、それは正直日本で開催されてきたから。だって2000年のシドニーから2016年のリオ五輪まで、全て日本開催です(2020年の東京五輪は開催国なので予選なし)。日本開催ということはテレビの中継もある=試合開始時間もずっと同じ、と、アドバンテージだらけだったわけです。こんな最終予選、他の競技で果たしてあるのか、というくらい(笑)。
ではなんで日本でだったかというと、FIVBを取り巻くスポンサーに日本(企業)が果たす役割が大きかったからに他なりません。世界バレーやW杯の開催が多かったのもそういうことです。ただ、今回世界選手権がオランダ開催になったり、国際大会の脱日本化が進んでいるわけです。という中では、世界ランキングがベースになる今回の改定はよいのでは、というのがまず一つ。
そしてもう一つは、日本と海外強豪チームの戦い方の違い、です。こう言っちゃなんですが、日本は優勝は目指していません。まずは予選リーグ突破が第一目標だからです。つまり、ピークを前半に持って来る。飛ばすだけ飛ばそう、という考え。一方強豪国は優勝が目標なので、予選通過は何位でもいい。どうせ決勝ラウンドになればどこが相手だろうと叩き潰せる自信があるから、です。なのでピークを終盤に持ってきます。
というのと。そもそもネーションズリーグで世界ランキングが上下動しようが、どうせ上位6チームが出場権を得る五輪予選で勝てばいい。強豪国はそう考えていると思います。
日本は本気モードだったわけです。4月から代表合宿が始まったわけですが、例えばトルコリーグは5月12日にファイナル、そしてヨーロッパチャンピオンズリーグは5月22日にファイナルでしたから。優勝したワクフバンクの選手(ブラジルのガビ選手等)はそこから各国のチームに合流しているわけです。韓国も、監督がワクフバンクのスタッフを兼ねているので合流が遅れたそうですし。
その点では日本はVリーグも、5月の黒鷲旗も代表強化に協力しているわけですね。だって黒鷲旗主催の毎日新聞なんか本来怒っていいわけですよ。代表不在の黒鷲旗の開催を強いられているのですから(昔は出ていたんですよ)。
なので、日本が予選リーグで勝ちまくるのは当然とも言えました。いや、もちろん選手、スタッフの頑張りがありますが、メディアでは「日本無傷の〇連勝」「五輪金メダルのアメリカ撃破」とか伝えられているのは、個人的には少し差し引いて考えてました。でもメディアがそうして「バレーが強くなった!」と報じてくれれば世間の関心も集めますからね。そんな効果もありました。
結果、日本の世界ランキングは大会前の9位から2つ上げて7位に。今後はこのランキングを維持していくことが大事になってきます。五輪出場枠は開催国+五輪予選の6枠、ランキング上位の5枠なので11位に入ればと思うかもしれませんが、2023年に行われる五輪予選の6枠にランキング上位6チームが入るとは限らないですからね。
ちなみにこの五輪予選を日本に誘致しようと川合会長が動いています。3組なのでもしかしたら3会場で行われるかも、ですね。
さて、続いては眞鍋監督についてです。