2021年の東京五輪は、自国開催ながら予選リーグ敗退で、10位という結果に終わったバレーボール女子日本代表。中田監督から、再登板となった眞鍋監督の元、3年後のパリ五輪に向けてスタートを切りました。
そんな「眞鍋ジャパン」を、定点観測という形で私なりに定期的に追ってみたいと思います。タイトルはスローガンである「ブレイクスルー」(障壁などを突破するの意味ですが、常識を突破しよう、という捉え方もあります)から来ています。
なお、私はバレーボールにハマったのが2015年のW杯からで、前回の眞鍋監督の末期。そして中田監督のときは初期を追えてなくて(一時期札幌に移住してVリーグから遠ざかっていたため)、今回の第二期眞鍋ジャパンが実質的に初めてスタート時から追える代表になります。
そしてそんなにバレーボールに詳しいわけでもなく、戦術とかそんなことは語れませんが、日々Vリーグの会場で選手たちを生で見ていたり、そんな視点からお話ができればと思います。
前置き:ネーションズリーグと世界ランキング
まず、パリ五輪でのメダル獲得を目指す眞鍋ジャパンの2022年度の目標は、9月の世界選手権での3次リーグ進出(ベスト8)。さらに、5月からのネーションズリーグでは、世界ランキングを上げるために決勝ラウンドに進出すること。その二点にあります。
なので今回のネーションズリーグは、世界選手権への弾みとすべく戦力を見極め骨格を作ることと、作りながら勝って世界ランキングを上げること、を目指していたと私は思います。
なぜ世界ランキングかというと、これは五輪出場方式の変更があります。詳しい方式は下記に記載されていますが、従来の大陸間予選がなくなり、ランキング上位の国が選ばれやすくなる、ということです。
これはおそらくですが、ネーションズリーグの価値を高めようというFIVBの意向と思います。グラチャンとW杯を統合したようにFIVBはさまざまな改革を行っているのですが、2018年に立ち上げたネーションズリーグもその一環。とはいえ世界ランキングを上げたところで五輪出場には直結しなかったわけで、国によってモチベーションもさまざまだったのではと思います。なので、この改変は簡単に言えば「ネーションズリーグをもう少し真剣に戦って」ということなのかなと。そうすれば盛り上がりますからね。
例えば昨年のネーションズリーグは、日本は上位4チームの決勝ラウンドに進みましたけれど、チームによっては東京五輪に照準を合わせてメンバーを選定していて、セルビアはボシュコヴィッチもいなかったりだいぶ戦力を落としていましたからね。従来はネーションズリーグを若手育成の場として捉えていたチームもあったのですが、そういうことができなくなるわけです。
今までは大会の最終順位で加算していたのが、2021年からは試合ごとに更新されることに。これによってネーションズリーグの価値が高まったわけですね。
これが日本代表にどういう影響を与えたのか。それを考えてみます。