新チーム続々誕生。地域リーグという「受け皿」に見るVリーグの未来図

地域リーグ
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~復活への執念~福岡ギラソール(福岡県福岡市)

設立:2021年
運営:不明
監督:高尾和行
選手:13人
公式サイト:https://fukuokagirasol.jp/

カノアラウレアーズ福岡で書いた、Vリーグ加入を目指していた福岡春日シーキャッツ。その母体はカノアラウレアーズ福岡に引き継がれていますが、シーキャッツの監督および選手の大半がこの福岡ギラソールのメンバーに名を連ねています(カノアに移籍した選手はいません)。

詳しい事情は知る由もないですが、いわばシーキャッツ自体の受け皿として設立された側面はありそうです。

ちなみに過去男子に、同じ福岡県(ただし北九州市)に拠点を置く住友金属ギラソールというチームがありました(ギラソールはひまわりのスペイン語)。監督の高尾和行さんはこのとき選手として所属していたので、もしかしたらギラソールを復活させるためにこの女子チームを設立した、のかもしれませんね。実際、チーム立ち上げ時はご自身でも動かれていたようです。詳細は下記の福岡市発行「おっしょい福スポ」に掲載されています。

https://www.sports-fukuokacity.or.jp/var/rev0/0010/0265/122129151540.pdf

スポンサーに地元企業が名を連ねていますが、どうやら雇用企業にもなっているようです。もしかしたら、ですが、これも高尾さんの人脈なのかもしれませんね。九州ビーチバレーボール連盟の会長をされていることもさることながら、ご自身でバーも経営されている(しかも大名地区)というところから、ふと感じました。

先日、かつて東レやPFUにいた石川真奈選手が加入、そしてクラブカップ男女選手権大会の福岡県予選でカノアラウレアーズ福岡をストレートで下して7月の全国大会出場を決めており(カノアラウレアーズ福岡は九州クラブ連盟の推薦枠として出場することになりました)、着実に力をつけている印象です。

当面はこのクラブカップや皇后杯などの福岡県予選は、カノアラウレアーズとの一騎打ちが続くと思います。設立経緯を鑑みるに、一種のガチなダービーとなりそうですね。

ただ、カノアラウレアーズが福智町に移ったことで、人口の多い福岡市を拠点としていることは大いにアドバンテージになりそうです。マリンメッセ、照葉積水ハウスアリーナ、福岡市民体育館と大きなアリーナも多いですからね。

~フットサルチームの挑戦~バサジィ大分(大分県大分市)

設立:2016年
運営:株式会社 大分スポーツプロジェクト
監督:豊島尚紀
選手:7人
公式サイト:https://vasagey.com/volleyball/

元々2006年に設立されたフットサルチームが母体ですが、2016年に女子バレーボール部も設立しています。それもあってか母体も「大分スポーツプロジェクト」となっているので、ゆくゆくは他の競技も手掛けるのかもしれません。

ただ、サイトには目標は全日本クラブカップ女子選手権大会優勝で、Vリーグを目指すとは書いていないです。基本的に大分出身の選手ばかりですが、2019年にVリーグを脱退した大阪スーペリアーズ出身の二選手は大分出身ではないですが、共に大分にある東九州龍谷高校出身で、その点では全選手が大分と何らかの関わりはあることになります。そういう点ではここも地元出身選手の受け皿として機能しているのかもしれません。

名前の由来も大分弁のすごいを意味する「ばされー」と、俊敏さを意味する「さじい」を合わせた造語だそうです。大分名物の「アジ」「サバ」も混ぜていて、名前からしても大分色全開ですね。。

クラブカップも、そして皇后杯も九州ブロックで、カノアラウレアーズとギラソールの福岡勢に割って入るのはちょっと大変そうですが、フットサルチームがバレーボールチームを持っている、というのは個人的に興味を持ちましたね。

こちらも不動産会社など地元企業がジョブパートナーとして名を連ねていて、選手たちがそこで働いているようです(一部の選手のみ掲載されていました)。

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他にも三菱東京UFJ(東京)、セイコーエプソン(長野)などもおなじみですが、情報量が少なかったため、割愛いたします。ということで、各チームをご紹介しましたが、いくつか共通項がありました。それを整理して、今後のVリーグの未来のカギを考えます。