Vリーグの撮りどころ~19/20東レアローズ編~

カメラ
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

■白井選手と日高選手の抱擁

この二人の絆は昨季から撮っていましたが、五所川原でのこの光景は、ああ、こういう光景を見たいから私は五所川原まで駆けつけるんだな…と思いました。抱き合っているのを見たのはこのときだけですね。今にして思えばもうこのときには、日高選手が今季で引退することを白井選手は知っていたんじゃないかなあ…とかね。

■セッターポーズ

勝った後に、関選手、白井選手、日高選手、そして中道コーチのセッター四人でやっていたルーティーンです。試合前にやっていたこともありました。これについてはなかなかいいカットが撮れなかったので来季に持ち越します。

長くなりましたが…

そんな東レアローズの今シーズンの個人的なベストショットはこちら。

これはテクニカルタイムアウトでの円陣のシーンです。

円陣を解くとき、東レはこのように手を重ねるんですよね。これに気づいて他のチームも見てみましたが、たいていは拳を合わせて振り上げるケースが多くて、手を重ねるのは今のところ東レだけです(岡山も若干近いですがここまで重ねてはいないです)。

なんでこのシーンが撮れるかというと、東レはテクニカルタイムアウトでこのように菅野監督がベンチ前で指示を出すのですが、その後離れるんですよね。その離れたスペースから円陣で手を重ね合わせている様子が撮れることに気づいたんです。これに気づいたのが、12月末の黒部大会でした。それから私の中での新たな撮りどころが加わりました。

ふと、セット前のぐるぐるカーテン(と呼んでますが)を見てみると、ここでも手を重ねているんですよね。

手を重ねる。選手たちの思いを、重ねる。

これこそ私の中での東レアローズです。思いっきり簡単に言うと絆です。

私にとって、これが東レアローズというチームです、と言える一枚です。

私は撮っていてよく「ああ…このチームのファンでよかったなあ…」と思う光景に出会います。さっきの白井選手と日高選手の抱擁もそうです。小川選手もそうです。

今季のこの一枚でも当然思いました。東レアローズというチームのファンでよかったなあ、と。

だから来季ももっとこんな光景に出会いたいと思います。追いかけます。

また新たな「私にとっての東レアローズ」という光景に出会えるように。