Vリーグの撮りどころ~21/22東レアローズ・プレー以外編~

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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

小川愛里奈選手と海老原通訳の抱擁

ローテーションでいったん控えエリアに下がった後、またベンチに戻ってくる時にやるルーティンです。通訳との抱擁、というのは前任の辻本さんともやってましたがそれとの違いは、コートに戻るときではなくその一つ前のローテーション、つまりベンチで待機する前にやっていることです。

まあ、あの頃はベンチも密になっていて通訳と隣合って座っていたからできたんでしょうね。

小川選手は、ルーティンを設けることで緊張を減らせると何かで言っていたので、ルーティンがいろいろ多いんですよ。ちなみにベンチに戻るときも控え選手(基本は大﨑選手)に背中をドンと叩いてもらうルーティンがあります。同期だった日高選手にやってもらっていた光景が、今も残っているわけです。

ブロード前の小川愛里奈選手と関菜々巳選手

試合編でも書いたように小川選手のブロードは屈指の取りどころなわけですが、最近はその前、相手サーブのときから妙に緊張するようになりました。だいたい、わかるわけですよ、ここでブロード来るな、というのが。

でも速攻なわけですからトスを上げる関選手も、そして小川選手もそれなりに緊張というか、ブロードをする前の、相手サーブを待つときって息詰まる瞬間だと思うんですよね。相手に傾いた流れを断つ(当然、失点しているから相手サーブなわけですし)という重要任務を遂行するわけですから。

それってアウトサイドヒッターもそうやろ、と思われるかもしれませんが、速攻で決めるということでさらに精度が求められると思いますしね。息が合うことがより求められますし。そういうのもあって、このときの二人の間に流れる空気というかな。「愛里奈さん、頼みます」「セナ、任せとき」というか。

そんな点でも小川選手ってますます頼もしくなっているなあと。一つ下の関選手を引っ張る存在でもあるわけですからね。

ブロード前の小川愛里奈選手

私の中ではバレーボールというのは見上げるスポーツ、です(あと、コートを隔てているので相手と交わらないスポーツ)。ボールを落としちゃいけないわけですから。だから、写真が自然と前向きになるんだなと。

なので、最近ブロードに入る前に、相手サーブの軌道を見上げる光景が撮りどころになりました。特に2、3枚目の写真は天井から自然光が入る埼玉県立武道館だったので、なんか、神々しかったですね(笑)。自然光っていいなと思いました。