10年目のaiko論

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札幌のときにaikoさんを長年追っかけていてツアーもほとんど参加している先輩ジャンキーと話したのだが、そもそも今まで行っていなかったアーティストへの楽曲提供(初期の頃に数曲やった程度)を「メロンソーダ」(FM802の春のキャンペーンソング)でやったあたりから方針が変わりだしたのでは、とのことだった。

その先輩ジャンキーの言葉を借りると

「プロデューサー・aikoになった」

まさにこの言葉だと思った。

今まで長年連れ添った人との別れというのはどこか後ろ向き───方向性の違い、とか───にとらえられることが多い。でも、それが全くないし、むしろ「今まで見られなかったaikoさんが見られるのか!」というワクワク感の方が大きい。だって、今までやってなかったことをどんどんやるようになるわけだから。その日の打ち上げでは早速札幌だけにライジング・サンとか夏フェスに出てほしい、なんて声も上がっていた。

デビューしてから20年が過ぎても、そして個人的に追いかけ始めてから10年たつのに、まだこういうワクワク感を与えてくれるというのは、なんて素晴らしいんだろうと思った。しかもこれはきわめて個人的な話だが、私はaikoさんと同い年なので、ものすごくパワーをもらっているのだ。同い年の人がこれだけ頑張っているのだから自分も頑張れるやろ!と。胸を張って言えるのだ。「私はaiko世代です」と!

常にジャンキーたちをワクワクさせてくれる。

次にaikoと逢うとき(ライブ)が最高のaikoであり、最高のライブになる。

だから、aikoジャンキーはやめられないのである。

今は大変な時期である。でも、恋愛ソングではなく恋愛のある日常を歌うaikoさんだ。あの3.11をきっかけに作風が変わった(と私は思う)aikoさんだけに、この状況を脱したときにどんな曲を届けてくれるのか。今からものすごく楽しみだったりする。

最後に。

私はLLRのときはたいていセンターサークルのサイドに立つ。aikoさんがそこにやってきたときに、後ろの方や二階に向かって歌っている様子が一番好きだからだ。なんでだろう。

何より気持ちよさそうに歌っている様子を間近に見られるというのもあるんだけれど、

会場の一番後ろの人にも届けられるよう、声を、いや、小さな体を全身振り絞って歌う。その姿、そしてその横顔をボーッと見ているときが何よりたまらないのだ。尊いのだ。

みんなに届くように歌う。

そうか、その光景が何よりaikoさんの本質だから、なんだな。

過去のaiko論はこちらをどうぞ

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