10年目のaiko論

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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

詳しいことは書かないけれど、この日の少し前に、仕事で長年連れ添っていた人が離れる、ということが週刊誌で報じられた。週刊誌で報じられたことだから実際のところ何があったのかはわからない。ただ、別にケンカ別れということでもないし、大まかに言えば「大人の事情」ということになる。

なので私にとってこのLLR9というのは、aikoさんの再出発という側面もあると思っていた。そんなことを微塵も感じさせず(当たり前だが…)ライブは始まった。

たぶん最初のMCだったと思うけれど、aikoさんがこんな話をした。久しぶりに古いライブDVDを見返したんだけど、赤坂BLITZでやったときとか「オイ!オイ!」とか言っていてすごかったんやな、そんな内容だった(後で2000年に行われたLLP4だと知った)。

そんな話の後、しばらくしてある曲(※)で、突然それは起こった…前奏で突然ジャンキーから「オイ!オイ!」コールが沸き起こったのだ。

※「Loveletter」だった気がするがはっきりと覚えていない。ただセトリを見るとこの曲だと思う。

これまで10年近くaikoさんのライブを見てきて、初めての光景だった。

すげえ!

って思った。

※私は自発的に沸き起こったと思ったが、aikoさんが煽ったから、という声も後に聞いた。

aikoさんのライブはMCでも観客としてaikoさんと普通に会話できるくらい参加型なのだが、曲については腕を振り上げたり、飛び跳ねたり、後は手拍子くらいだった(声出して歌う人もたまにいるがあんなの論外)。そこに、コールという声の参加、が加わったのが何より大きいと思ったのだ。コールが揃うとよりファンの一体感も強まる。

10年近く見てきたのにまだ新しい光景、そして世界が見られるのか!

それに何より感動した。

その後の曲でもここはオイ!オイ!コールだろうと思ったら腕を上げた。そしたら回りもすぐに反応してコールの輪が広がっていった。参加して熱く盛り上げる、というツールをジャンキーは手にした。そう思った。

そして、新しいaikoさんの出発を盛大に盛り上げて、「(これからのツアー)行ってらっしゃーい」と盛大に送り出せたという思いもあった。

それから4か月。私は札幌公演2daysを見に行った。結果的にこれが現時点でのaikoさんの最後のライブとなっている。気がかりだったのは、あの「オイ!オイ!」が続いているかどうか、だった。杞憂だった。「オイ!オイ!」コールの加わった「Loveletter」はすっかり別の曲になっていたし、aikoさんもどこか楽しそうに両手を上にあげて煽っていた。今までは絶対に見ることのなかったaikoさんの世界だった。

私にとってのaikoさんのNo.1曲は「線香花火」だったのだが、今回のLLR9で「Loveletter」に切り替わった。

土日、どちらの公演か忘れたが、aikoさんはどんなことをやってほしいかを聞いていた。アンケートにも確かaikoにやってほしいこと、みたいな項目があった。個人的にはSpotifyのようにサブスクを解禁してほしいなと思っていた。最近の若い人はサブスクで音楽に接する機会が多いし、これからの若年層にaikoさんを聞いてもらうにはサブスクが欠かせないと思っていたからだ。とはいえ実はaikoさんは音楽配信はずいぶん後発で、「4月の雨」が初めて配信先行リリースだったし、iTunesで買えるようなったのもこのときからだった。

aiko、新曲「4月の雨」で初のiTunes配信決定 | BARKS
現在、北川景子主演「シード ワンデーピュアうるおいプラス」CMソングとしてOAされているaikoの新曲「4月の雨」が、4月17日(水)に先行配信される。◆aiko画像レコチョク、music.jpなどと共に、なんとi...

個人的には「曲はCDで届けたい」というaikoさんの意向で配信系はやらない方針なのかなと思っていたので、サブスク配信もやらないと思っていたのだが、なんとこの札幌公演の数日後にまさかのサブスク解禁でびっくりした。実際若い女の子たちが飛びついていて、効果があったなあと思った。

他にも、今まで他のアーティスト楽曲に参加することはなかったのに、突如東京スカパラダイスオーケストラの楽曲参加を発表したのもびっくりした。

曲名は「Good Morning~ブルー・デイジー feat. aiko」なのだが、今までこの「feat.aiko」という表記はaikoさんの長いアーティスト人生には存在しなかったのだ。