Vリーグの撮りどころ21/22シーズン ~埼玉上尾メディックス編~

カメラ
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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

アントニオ・マルコス・レルバッキ監督(以下マルコス監督)ですが、喜怒哀楽…いや、喜びはあまり試合中は見せなかったか(笑)。コートでは冷徹に徹していた印象ですね。選手には厳しかったです。だって、第二セット早々、0-1でいきなり選手を下げましたからね。とにかくダメだと思ったらすぐに替える印象でした。

ただ、選手にとっては何が悪かったのかがわかってよかった気もします。日本人監督は、日本人の特性というか、「ここはダメだったけれどもう少し様子を見よう」と温情をかける印象がありますが、はたから見ていてマルコス監督にはそれはなかったですね。だけど、下げられた選手もどこか納得していたので、こういうのもありなのではと思います。

そういう点でも、日本人監督には見られない采配だったり、考え方というかな、それが楽しかったですね。愛情のある怒りというかな。試合後はこういうフォローもしてましたからね。

しかしこのシーン、いいですよね。監督自ら交代札を授けるなんて初めて見ましたよ。どこか神々しさすら感じます(笑)。

マルコス監督も残念ながら退団されてしまいましたが、外国人監督という新たな視点が入ることで、Vリーグってもっと楽しくなると思うんですよね。貴重な存在でした。お疲れさまでした。

あと、これは選手ではないですが、ホームゲームのDJコンビもよかったです。「女性の試合だからDJも女性で」という自己紹介をされていましたけれど、とてもよかったですね。やっぱり女性の声の方が和らぐ気がします(私が男性だからですが…)。

そんな埼玉上尾メディックスの、今シーズンの個人的なベストショットはこちら。

2月の上尾大会のホームゲームイベントでの仁井田桃子選手と岩澤実育選手です。

ホームゲームで試合後に選手たちが場内を一周する、というシーンはよくありますが、「撮ってくださーい」と言ってアピールしてくる選手は初めてでした(笑)。来シーズンはこの二人のプレーを撮りたいと思いました。

撮りどころだった選手やスタッフがいなくなるのは淋しいですが、来シーズンになればまた新しい光景が生まれるわけで。それを楽しみにしたいと思います。