Vリーグの撮りどころ21/22シーズン ~日立Astemoリヴァーレ編~

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Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

野中選手は、元々はそれほど注目していなかったのですが(というより注目している人が多すぎて)、やっぱりというか、引き込まれていきましたね。あとこれは最近知ったのですが、JOCジュニアオリンピックカップで、前年に石川真佑選手が選ばれているオリンピック有望選手になっているなど(私はジュニア・ユース世代までは追えていないので)、それなりの経歴を持っている選手なんだなあと。

昨シーズンはオポジットでプレーされることが多かった印象ですが、今シーズンはオクム大庭ハウィ選手が、そしてオクム選手が秋田で負傷した後は長内美和子選手が入って、というのとご自身もケガがあったようで、出場機会は減ってしまったんですよね。

ただ、3月の金沢ではレフトに入っていて、とてもよかった印象があります。ポジションの適正については素人の私からは何とも言えませんが、来シーズンはレギュラーをつかむような活躍になれば、このチームはさらに上に行けるのではと思いました。ちょっと、古賀紗理那選手に重ねてましたね。チームの大黒柱というか。そういう存在になればチームは強くなると思います。

さて。

10月の秋田大会に行ったときのことなのですが(東レの試合でもないのに行ったのは、昨シーズンの試合がリモートに切り替わってしまったのと、秋田は人生で行ったことがなかったので)、野中選手にとっては凱旋なのですが、負傷なのか、出場機会はリリーフサーバーに限られていたんですよね。なのでご本人もどこか浮かない顔をしていた印象です。

チームとしてもデンソー相手に連敗で終わったのですが、試合後の挨拶の時に、野中選手がちょうど母校の秋田北高校の生徒たちと相対する形になって、ファインダー越しに目がみるみる涙があふれてきたのがわかって。

さすがにその写真はここでは使いませんが、おそらく、今回こういう形で不甲斐ない凱旋になってしまった悔しさと、でも母校の生徒たちがこうして応援してくれている、というのを目の当たりにして感極まったのかなあと。見ていた私までファインダーがにじみました。

思えば、一年目だった昨シーズンの秋田大会は無観客だったので、地元の観客を前に試合をするのは今回が初めてだったんですよね。だから余計に悔しさが増したかもしれません。ただ、来シーズンも秋田で試合があるので、そこでは今シーズンの分まで活躍したらいいなあと思います。って、おっと、ウチ(東レ)との試合だった(笑)。

そんな日立Astemoリヴァーレの、今シーズンの個人的なベストショットはこちら。

先ほど書いた、金沢での試合の一コマです。この試合の野中選手は本当に頼もしかったし、プレーで引っ張るという感じだったんですよ。こんなに感情を爆発させているのは初めて見た気がするな…。こういう表情という点でも古賀紗理那選手に重ねていたんですよね。

来シーズンはこういう光景がたくさん見られるといいですね。