Vリーグ女子発展のカギを握る「北陸」という広域

KUROBEアクアフェアリーズ
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スポーツ競技がよりメジャーになる───人気が出て注目が集まり、結果、その競技をやりたいと思う子供が増え、競技人口が拡大する───ために必要なことは、人口の多い都心部で人気を得ること(そのまま競技人口増につながるから)、だけでなく、全国にも人気を広げていくことが大事です。野球、サッカー、バスケ等々…当然ですが、全国にチームがあり、それぞれファンがいます。

例えば野球の広島カープは、それほど野球に詳しくない人でも熱烈なファンが多いというのはご存じの方も多いはず。あのように、地元の人たちから熱狂的に支持される地域、そしてチームが必要です。バレーボール、そして女子で言えば、なんといっても岡山です。親会社を持たない市民球団というのもお隣、広島カープと同じですね。

ただ、より競技に注目が集まるためには、一チームだけでなく、隣の県のチームも巻き込んで、より大きい地域、つまり広域で盛り上げることが欠かせないと思います。

その広域、という点でV1女子で私が何より注目しているのが、北陸、もっと言うと石川と富山です。今シーズン両チームのホームゲームに足を運んで痛感しました。

■スポーツチーム連合

石川、富山両県に共通しているのは、プロ野球チームがない、ということです。ただ、両県とも独立リーグのBCリーグ所属球団(ミリオンスターズ、サンダーバーズ)、そしてVリーグ女子(PFU、KUROBE)、Jリーグ(ツエーゲン、カターレ)、Bリーグ(金沢武士団、グラウジーズ)、さらに言うとハンドボール女子リーグ(北國銀行、アランマーレ)、バドミントンのS/Jリーグ(金沢学院クラブ、トナミ運輸)のチームが存在しています(Tリーグはナシ)。

プロ野球というファン人口も多く注目度も高いものがない代わりに、スポーツチーム連合で盛り上げていこう、という意気込みが両県からは伝わってきます。特にビックリしたのは富山。12月の黒部大会の前日に富山市中心部に入ったのですが、地元の百貨店・富山大和の中に「スポーツコミュニティーパーク富山」というのがありまして、これがすごかったんです。

富山にある、先ほど挙げたスポーツチームからS/Jリーグを除く5つのグッズが常時買えるほか、チケットの販売、ファンクラブ加入受付、そして情報発信、さらには選手によるイベントなどなど、まさに富山のスポーツの一大拠点になっています。このように地元のこれだけのスポーツチームを一堂に集めたショップ&スペースって、おそらく富山だけではないでしょうか。

当然KUROBEアクアフェアリーズも活用していて。選手たちがホームゲームのチケット販売をしたり、あとシーズン終了後に行われた「スポーツコミュニティパークトヤマファン感謝祭」では初日のサンダーバーズに続いて二日目に丸山、杉原両選手のほか、なぜか元東レの迫田さおりさん(出身でも何でもないのですが)が参加しています。

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また、石川、というよりはこれは金沢ですが、金沢市スポーツ文化推進協議会が「KANAZAWA HOMETOWN」と題して、金沢に拠点を置く6チームのロゴが描かれた巨大広告を金沢駅に掲出していました(これは丸の内ヴィクトリーナの谷津さんからいただきました。谷津さんについては詳しくはこちらに)。

こういう、地元のスポーツチームを総合的に支援、というのは岡山もやっていたりするのですが、岡山にも共通しているのはプロ野球チームがない、ということ。なのでスポーツチームを連合形式でまとめて盛り上げよう、という意志を感じますね。