昨日編に続いては今日編、です。ここでは今回の東レアローズのリリースで何が変わったかということを中心に書きます。
堀川選手のマネージャー就任
菅野監督のGM就任
越谷コーチの監督就任
中道シニアスタッフのコーチ就任
※選手の体制については明日編で書きます
まず、一連のリリースを見て思ったのは、あ、東レアローズは来季も存続できる、ということでした。大げさな、ということなかれ。会社の業績が悪くなったら真っ先に切られるのがこういうスポーツチームだったりします。NECだって過去男子を廃部にしてますし、そもそも東レアローズ女子はユニチカ・フェニックスが、ユニチカの経営不振で譲渡されて生まれたチームです。
しかも東レ株式会社の業績も好調とはいえず、先日発表された2019年度の業績は売上、営業利益ともに目標には届かず、いずれも昨年度を下回る結果になっています。
※5/13に発表された資料へのリンクを貼っておきます(誰も見ないだろうけど…)
長期経営ビジョン “TORAY VISION 2030” および 中期経営課題 “プロジェクト AP-G 2022”
実は株価も一年前は800円台前半だったのが3月に下落し一時期300円台にまで突入したこともありました。原因としては、そもそも暖冬だったので東レの素材を使っているヒートテックがあまり売れなかった、そしてアパレル自体がコロナの影響で売れ行き不振であるということ、そして東レの炭素繊維を使っているB787などボーイング社が航空機製造を止めているのも影響していると思われます。
※詳しくは東レ社長がコロナ不況攻略法を激白「先を見通せない経営者は辞めるべき」にて
固い話になりましたが、必ずしも親会社は業績好調ではない、ということです。でも黒字ではあるので不振でもないです。今のところはチーム運営については心配しなくても大丈夫でしょう。
そして、選手数もマイナス1名にとどまっています。ここで過去6年の選手数の推移をご覧ください。
2020/21 15名 前年比-1 新加入1名(坂本) 退団2名(日高、堀川)※2020/5/16時点
2019/20 16名 前年比+1 新加入4名(水杉、石川真佑、野呂、大崎) 退団3名(杉原、石川真奈、マナバット)
2018/19 15名 前年比-4 新加入3名(関、ヤナ、マナバット) 退団7名(木村美里、中川、野村、ケイディ、田代、峯村、林)
2017/18 19名 前年比+2 新加入5名(小川、黒後、日高、ケイディ、井上) 退団3名(木村沙織、迫田、カーリー)
2016/17 17名 前年比±0 新加入5名(中川、中田、石川真奈、中島、カーリー)、退団5名(ディクソン、高田、下平、森、藤本)
2015/16 17名 前年比-1 新加入2名(白井、ディクソン)、退団3名(中道、小平、二見)
※選手名は敬称略
個人的には昨シーズン4名の高卒新人が入ったことで人数が膨れ上がったと思っていたのですが、必ずしもそうではなかったんですね。ちなみにこの15名というのはV1のチームの中では少ない部類に入ります(昨季の久光、JTは18)。そう考えると来季のために移籍による選手獲得、というのは十分あり得るのかもしれません。
ちなみに現時点でヤナ選手の去就が明らかになっていませんが、現状の人数を考えると仮に抜けたとしても外国人選手の獲得はありうると思います。ただ状況が状況なので、新外国人選手が獲得できるのか(日本に来てくれるのか)というのもありますし、それは選手にとってもそうなので、残留なのでは、とは思います。
さて、具体的な人事ですが、まず堀川選手が谷さんの後任としてマネージャーに就任、そしてシニアスタッフだった中道さんがコーチになる、ということですが、これは全く個人的な予想ですが、中道さんの後任───つまり東レの社員としての社業従事───が谷さんなのではと思います。
なぜそう思うかというと、まず谷さんが東レを離れるということはないでしょう。というのも、谷さんはおそらく選手同様、東レの社員として入社しているはずです。谷さんの出身の下北沢成徳とは、選手の獲得だけでなくマネージャーまで社員として雇用することで、良好な関係を築いているのではと思うからです。で、中道さんはシニアスタッフという立場で社業兼務だったので、コーチになることで専任になるのでその後任では…というのが勝手な予想です。
これによって、堀川選手もチームに関わり続けることができる。次の道に進むために退社した日高選手を除けば、東レからは誰も抜けていない、と言い切れるわけです。