昨日・今日・明日。東レアローズが一気に示した「気概」~明日編~

東レアローズ滋賀
all text and photographed by
Arimoto Kazuki(有本和貴)をフォローする

昨日編今日編と続いて明日編では、東レアローズの選手の新体制、そしてスローガンについて書きます。

  • キャプテンに黒後選手、副キャプテンに白井、中田選手就任

  • スローガンは「氣迫」

まずキャプテンについてはびっくりしました。いや、ぶったまげました。個人的には年齢的にも白井選手が次のキャプテンだと思っていたからです。で、その次は小川選手かなと。なので黒後選手就任はぶったまげたわけです。世代を一つ飛ばした感じですね。

ただ、今季に関してはけっこう黒後選手がチームを引っ張っているなと思ったのも事実です。何より背中にも貫禄が出るようになりました。

あと、特に後半は関選手と話し込むシーンが多かった印象です。なのでだいぶプレーで引っ張る、という姿が増えてきたんですよね。そう考えるとキャプテン就任もうなづけます。

チームとして考えても、菅野さんが担っていた、コート上での檄とか熱さ、を何よりもたらしてくれる存在になるんですよね。序盤、黒後選手が負傷で出られなかったとき、滋賀大会では登録外だったのですが、スタッフの席にいるとき、チームが劣勢だとものすごく大きな声で「気持ち入れて!」と叫んでいたんですよね。そして、私は春高はそれほど興味がなかったので知らなかったのですが、下北沢成徳時代はけっこうおっかないというか、厳しい言葉で選手を引っ張っていたんですよね。

なので東レでもそういう姿が見られるのかな…とも思います。なにせ選手層の中心が、黒後選手の年齢以下にいずれなるでしょうし、もしかしたら石川、野呂、大崎という下北沢成徳の後輩全員とコートに立つかもしれない。そう考えると適任なわけです。

とはいえまだ黒後選手は21歳ですし、まだこのタイミングは早いかなとも思うのですが(久光の石井選手も28歳でキャプテン就任)、最近だとNECが柳田選手を21歳でキャプテンにしてますし、けっして早いというわけではないでしょう。

いやあしかし、いろいろ書きましたけれど、この人事は正直しびれたんですよね。体に電流が走ったというか、なんかこう、呼び覚ましてくれた。そんな思いです。

だって!来季からはあの、試合前の選手たちが走って入ってくるこのシーンの先頭は、黒後選手なわけですよ?うわあ、すげえ見たい。そう思うでしょ?(笑)

結果的に東京五輪が一年延びてしまいましたけれど、キャプテンとして東レを引っ張ったことでさらに成長して、もしかしたら五輪の中心的な存在として挑めるのでは…とも思います。私の中では本来その存在は久光の石井優希選手だったのですが、一年延びたことで黒後選手にチャンスが出てきた。そんな思いです。

って何回も書きますけれど、ね、楽しみでしょ?もうワクワクしかないっす。

そして副キャプテンには白井選手と中田選手が就任。いずれも年上の選手ですが、だからこそ黒後選手を支えるにはぴったりの存在、でしょう。特に白井選手は関選手に対して見せるように、選手たちへの気配りができる人なので、例えば黒後選手が熱さで引っ張りすぎたとしても、そして怒ったとしても、笑いを取りながらとかうまくバランスをとってくれると思います。そう、やっぱり東レのキーは白井美沙紀、なんですよ(笑)。